「下手くそ棒」なんて悪口も!? もはや絶滅危惧種の「コーナーポール」の有効度ってどんなもんだった?
■安全技術の進化によってコーナーポールが絶命の危機に!?
20世紀のクルマには当たり前のように付いていた「コーナーポール」が、なぜここまで廃れてしまったのか? その理由はいくつか考えられるが、まず昭和の時代と現代では、街中を行き交うクルマのスタイルに大きな違いがあるからだろう。 昭和の頃は自家用車といえばセダンやクーペが一般的であったが、これらのクルマはボンネットが長く、左前方周辺の距離感が目視では把握しにくかったため、必然的に「コーナーポール」が重宝されることに。 一方、ミニバンや軽自動車など、現在一般的となっているクルマはボンネットが短いコンパクトなスタイルのものが多く、車幅に対する運転席からの距離感も測りやすいため、「コーナーポール」の必要性をあまり感じなくなってしまった。 また、コーナーセンサーやカメラなど、いわゆるクルマの安全装備が充実してきているのも「コーナーポール」の絶滅を加速させる大きな理由のひとつにほかならない。
■メーカーオプションにコーナーポールが設定されている車種もある
ホンダの軽、N-WGNの場合、「コーナーポール」が純正オプションとして用意はされてはいるものの、障害物をブザーで知らせる「パーキングセンサー」との同時装着はできないため、やはり後者を選ぶユーザーが多いというワケだ。 とはいえ、一部車種では今なおメーカーオプションで設定されているモデルが存在するのに加え、カー用品店やネット通販ではさまざまなタイプが販売されているという事実は、絶対的な数こそ減ってきてはいるものの、まだまだ「コーナーポール」には一定の需要があるということ示している。 さらに長年「コーナーポール」を付けたクルマに乗り続けていた高齢ドライバーなどは、クルマを新しく買い直した時に再度、その装着を希望するケースが多いとか。そうした人たちにとっては実用性はもちろん、付けることで安心感を得られるというメリットもあると考えられる。 最近は一周回って「カッコイイ」「オシャレ」という若者も少なからず増えてきているという「コーナーポール」。 運転に不慣れなドライバーが乗っている印象のあるだけに、口の悪いベテランからは「下手くそ棒」などと揶揄されることもあるが、シンプルで機能性の高いその存在はクルマという乗り物が人が運転するものであるかぎり、完全に消えてしまうことはないだろう。