朝食は「パンより米」が正解である…92歳の現役栄養学者が実践する「ヨボヨボにならない最強の食事」を解説する
■「パンとジュース」だけでは“力”を発揮できない ここまで本稿を読めば、もうおわかりだと思いますが、パンとジュースだけの朝食では、血糖値を上げることはできても、作業力、記憶力、論理思考といった機能を発揮するには十分ではありません。 東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授が2004年に公表した、朝食内容と認知機能の関連を調査した研究では、みそ汁や野菜などが脳の機能に良い影響を与えることがわかりました。繰り返しになりますが、本稿でバランスのよい食事を何度もすすめている背景にはこのようなデータがあるからなのです。 最後に、1998年から2018年までの約20年間(66歳から86歳まで)、自炊していた頃の私の朝食をご紹介して終わります。ぜひ参考にしていただければ幸いです。 ---------- (洋風朝食) 【主食】ピーナッツバター、バター、ジャムをつけたトースト(あるいは、パン粥、ホットケーキ) 【1群】オムレツ、牛乳、チーズ 【2群】薄切りハム1枚(あるいは、小さなウインナー) 【3群】サラダ(レタス、トマト、キュウリなど)、ミックスベジタブル(冷凍)、シチュードフルーツ(果物を砂糖とワインで煮たコンポート) (和風朝食) 【主食】ご飯(お粥+佃煮) ※米は葉酸を多く含む米にしています 【1群】目玉焼き(あるいは生卵)、牛乳 【2群・3群】みそ汁(野菜入り)、浅漬け、海苔、納豆 【飲み物】緑茶 ---------- ---------- 香川 靖雄(かがわ・やすお) 女子栄養大学副学長 1932年、東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業、聖路加国際病院、東京大学医学部助手、信州大学医学部教授、米国コーネル大学客員教授、自治医科大学教授、女子栄養大学大学院教授を経て、現在、自治医科大学名誉教授、女子栄養大学副学長。専門は生化学・分子生物学・人体栄養学。著書に『老化と生活習慣』『生活習慣病を防ぐ』(以上、岩波書店)、『科学が証明する新・朝食のすすめ』『香川靖雄教授のやさしい栄養学』(以上、女子栄養大学出版部)などがある。 ----------
女子栄養大学副学長 香川 靖雄