【更年期の壁】閉経、体や心の変化「どう、乗り越える?」
不調は、あなたのせいじゃなくて女性ホルモン減少のせい。だから、絶対に自分を責めないで!
■もがいて手に入れた自信は必ず自分の糧(かて)になる 模索を重ねて症状や感情との付き合い方を会得するにつれ、不調は徐々に「『今は出てこないでくれる?』と抑えられるようになってきた」と武内さん。取材中に知ったある言葉が、今も胸に残る。 「BBC(英国の公共放送)が更年期の番組をやったときの合言葉が『Fi nally, Be Me(ついに私になる)』だったんですが、まさにそのとおりだなぁと。閉経イコール女性としては終わりだと長く思ってきたけれど、いざその立場になってみると、解放でしかなかったですね。性別にとらわれず人として生きられる、いよいよ唯一無二の私になれるんだと思うと、すごく楽になって」 結婚、出産、子育てと仕事、家庭と自分。悩んで選択しては壁に突き当たってきた女性の人生。しかし、そのつらさを経験してきた女性だからこそできることがあると、武内さんはいう。「壁を乗り越えるために起こしたアクションは、いつか自分の中で自信になる。さらに、それを誰かに伝えて共感してもらうことで、多くの人の発見にもつながっていくんです。だから、今、目の前に壁を感じていても、『これを乗り越えたら、きっとスッキリするだろうな』という思考回路を、ぜひ手に入れてほしい! 今はしんどくても、それは、これから先を生きていくうえでの最強のツールになるし、痛みを知る人は、そのぶん優しくなれるはずだから……。誰もが皆、フラットに働き、学び、暮らせるようになれば、今とは違う世の中がやってくる。更年期を乗り越えた女性が、いち早くそこにたどりつけるんだと、そのことを喜んでもらいたいなと思っています」
「性別を超えて、これからは人としてさらに自由に――私たちはついに私たち自身になれるんです」
フリーアナウンサー・ 武内陶子さん たけうち とうこ●’65年、愛媛県大洲市出身。神戸女学院大学卒業後、’91年にNHK入局。ニュースからバラエティまで幅広い分野の番組を担当し、’23年9月に早期退局。現在はフリーとして活動し、愛媛・伊予観光大使も務める。6/6は東京・練馬、8/30は横須賀で音楽イベントの司会を担当。夫と3人の娘たちとの暮らしや出演情報をX(@Tokotakeuchi)、Instagram(@toko_takeuchi)で発信中。 撮影/TOWA ヘア&メイク・スタイリスト/三上津香沙 取材・原文/大谷道子 ※エクラ2024年7・8合併号掲載