100万マイルGetを目指して9日間で「50代世界一周弾丸旅」 ベッドで寝られたのはたったの7時間で「地獄を見た」
KLMオランダ航空で、ブカレストーアムステルダム(オランダ)ーコペンハーゲン(デンマーク)と飛んだ後、この旅行最大の危機がコペンハーゲン空港で起こった。 ゲートで待っている間に、乗るはずのスカンジナビア航空・ジュネーブ行きのファイナルコールを2人して見落とし、飛行機に乗り遅れてしまったのだ。 違和感を感じたのは、ゲートから飛行機へと続くボーディングブリッジの自動扉が閉まりつつある瞬間だった。顔面から血の気が引いたが、悔やんでいる余裕はなかった。その間にも選択肢は刻一刻と狭まってしまうからだ。
予定ではスカンジナビア航空でコペンハーゲンからジュネーブ(スイス)、さらにエールフランスでパリ(フランス)へ飛んで1泊。翌朝ジュネーブに戻って、ジェッダ(サウジアラビア)行きのサウディアに乗るつもりだった。 このミスをリカバリーするには、なんとか別のルートでスカンジナビア航空とエールフランスに搭乗し、ジュネーブ発ジェッダ行きのサウディアに乗る必要がある。 その場でGoogleフライトを使い検索すると、夜にコペンハーゲンからスカンジナビア航空で安い直行便が出ているのはオスロ、ロンドン、アムステルダムの3都市。
オスロは却下し、ドーバー海峡越えのあるロンドンもパス。となると行き先はアムステルダムしかない。だがエールフランスに乗るため、アムステルダムからパリへ行くにはどうしたらいいのか。 ■パリまでの長い道のり 検索すると、アムステルダム空港駅からアントワープまで鉄道で行き、そこから夜行バスでパリを目指すルートが出てきたので、そのルートに決める。 アムステルダム空港からなんとか予定の鉄道に乗り継ぎ、「これで一安心……」と思っていたら甘かった。
途中のロッテルダム中央駅で一向に出発しないと思ったら、車両トラブルで、別の列車に振り替えとなったのだ。これで、さきほどおさえたばかりの夜行バスには間に合わなくなり、1人20ユーロのチケットは紙切れと化してしまった。 仕方がないのでブリュッセルまで鉄道で行くことにし、ブリュッセル発パリ行きのバスチケットを改めて取り直す。バスがブリュッセルを出たのは午前1時49分だった。 泣き面に蜂とはこのことである。疲労困憊で、夜行バスがきついという感覚すら失われている。
だが、今回の経験を通じて、トラブルで急にフライトやバスなどを探さなくてはならないとき、GoogleフライトやGooglemapの検索がいかに心強いかということを痛感させられた。 この夜行バスに乗り込んだとき「ひどい経験だったが、これで峠は越えただろう」と安堵していた。後にこの認識が甘かったこと気がつかされることになる。→後編に続きます 【写真】100万マイルGetを目指した世界一周旅前編の様子を写真で(7枚)
橋賀 秀紀 :トラベルジャーナリスト