二番山頂「小金沢山」は秀麗富嶽十二景中で唯一2000m超えの山頂! 日本一長い山名で人気の頂から日本一の富士を愛でる
二番山頂は大菩薩山塊の主軸をなす小金沢山と牛奥ノ雁ヶ腹摺山の2座になります。小金沢山は秀麗富嶽十二景の全20座のなかで唯一の標高2000m超え。牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)は日本一長い山名として親しまれ、いずれも低山であってもスケール感の高いイメージを抱えて人気の2座です。その頂から望む富士は、蒼穹に凛々しい十二単をまとった絶世の美女です。 【写真】秀麗富嶽十二景の二番山頂を巡る登山ルートを見る(全13枚)
人気の山に挟まれた美味しいところ取りの秀峰
小金沢山は大菩薩嶺と牛奥ノ雁ヶ腹摺山という人気者を両手に花の山ですが、その山頂からの秀麗富士山の眺望は引けをとることのない素晴らしさを誇ります。山梨県の山々は大きく分けて南アルプス山系、八ヶ岳山系、富士・御坂山系、そして大菩薩・道志山系の4山系に分類されます。秀麗富嶽十二景の山々はすべて4つ目の大菩薩・道志山系に属していますが、小金沢山は筆頭の大菩薩嶺を支える大番頭のような存在に思えます。 山頂は大きく開け、富士山の伸びやかで末広がりの山容を堪能できます。その雄大さを担保するあたり、さすが大番頭の裁量と思わずにいられません。ま、そんな余計なことは考えずに、じっくり眺望を楽しみましょう。
大菩薩峠からの静かな山行は富士山だけでない絶景の嵐
小金沢山へのアプローチは大菩薩嶺同様に上日川峠からと小屋平登山口からのルート。いずれもバスを利用できますが、マイカー利用なら上日川峠駐車場が利用できます。こちらのルートでは大菩薩峠にある山小屋介山荘脇から踏み入り、熊沢山~石丸峠~天狗棚山を巡ります。また小屋平登山口からは熊沢山をバイパスして、カヤトの草原が広がる石丸峠からのルートを辿ることになります。 小金沢山の醍醐味はその山頂からの富士山の眺望だけでなく、石丸峠と狼平と呼ばれるカヤトの原を登山道が駆け抜ける稜線美ではないかと思っています。眼下の燎原を走る1本の登山道。日本アルプスの壮大さにこそ叶いませんが、日帰り山旅で堪能できるのは魅力です。もちろん天気に恵まれれば、西には南アルプスの山並みの水平線も望めます。 小金沢山からはピストンで登山口へ戻るもよしですが、隣に構える牛奥ノ雁ヶ腹摺山への縦走を楽しむ登山ファンも多く、日本一長い山名標識との記念撮影も登山話のネタになるでしょう。また、立ち枯れの木々の林立も見どころの一つです。
ソトラバ編集部