【楽天好き】創設20周年企画:球団創設時から在籍、「他では味わえない経験をさせてもらった」。マーケティング本部の黒澤くみ子さん
すると集まる人はどんどん増えていき、最終的には1万人ほどのファンが陸上競技場に駆けつけた。黒澤さんは、その熱気を今も忘れられないという。
「大きな波動のようなエネルギーを間近に感じました。一歩間違えたら事故が起きかねない熱量だったので、運営していた側としては、感動だけでなく何事も起こらないよう巨大なプレッシャーを感じながらでしたが、これもこの仕事に従事しているからこそ経験できたと思います」。
◆全選手が毎年リニューアルする「MyHEROタオル」 現在は、球団グッズなどを取り扱う部署で采配を振るう黒澤さん。楽天と言えば、選手名の書かれたカラフルなタオルが応援グッズとして人気だが、これは日本一に輝いた2013年の「選手応援タオル」が始まり。以来、選手タオルを掲げる文化が定着し、今では「MyHEROタオル」として、全選手のデザインを毎年リニューアルして販売しているという。
数多くのデザイン、多種多様な商品が生まれる背景について、「デザイナーも2005年の球団創立当初から携わっているのメンバーの1人ですが、イーグルス愛がすごく強く、思いを込めて色々なアイデアやグッズを生み出してくれています」と黒澤さんは明かす。
「私の立場は、商品の販売と管理の両方を担うので、面白いものを次々と作りたいと考えながらも、作りすぎて在庫過多にしてもいけない。バランスを取ることが難しいこともありますが、今のこの仕事にもやり甲斐を感じています」。
この20年で自身も結婚や出産を経て、仕事にも邁進してきた。「人生のターニングポイントもここにいる間にすべて通り抜け、成長させてくれました。この仕事を通じて、他では味わえない経験をさせてもらっています」
取材・文:松山ようこ/写真:楽天野球団提供
松山 ようこ