日本郵政の優勝引き寄せた”亜由子の1秒”…実力でメンバー入り、本番でも力を証明【全日本実業団対抗女子駅伝】
◇24日 全日本実業団対抗女子駅伝(宮城県松島町文化観光交流館前―弘進ゴムアスリートパーク仙台の6区間42・195キロ) 10度目出場の日本郵政グループが2時間13分54で4年ぶり4度目の優勝を果たした。4区でルーキーのカリバ・カロライン(20)が首位に立ち、5区で東京五輪マラソン代表の鈴木亜由子(33)が積水化学と1秒差のトップでタスキリレー。6区の太田琴菜(29)が一時は後退したが、区間賞の走りで中盤に逆転した。 ”亜由子の1秒”が優勝を引き寄せた。初出場だった2015年からフル出場の亜由子は「10年目の節目で優勝できて、巡りあわせだなと思う」と感慨深そうに語った。 タスキを受けた時は、2位の積水化学と22秒差。4キロ地点で東京五輪1万メートル代表の新谷仁美(36)に追いつかれたが、冷静に対応した。 「風もある状況だったので、新谷さんの力を借りながら走ろう」と背後にピタリ。終盤のデッドヒートを制し、6区の太田に「行け!」と叫びながらトップでタスキを渡した。 「亜由子の出場ありき」だったこれまでとは変わり、今回はメンバー争いに一から加わった。高橋監督から「あなたも確定じゃない。メンバーから外れる可能性もあるよ」と発破をかけられながら、実力でメンバー入り。本番でも強さを証明した。 個人としては「駅伝をステップにマラソンを頑張りたい」と今後を見据え、来年の世界選手権(東京・国立競技場)出場を目指して国内のマラソンに挑む予定。”亜由子の1秒”を自信に、33歳は走り続ける。
中日スポーツ