【ハイライト動画あり】ダイナボアーズ、昨季王者スピアーズを撃破。ハードワークで勝利をつかみ取る
S東京ベイが自陣から攻め、立川が左タッチライン際にいた木田にキックパス。そのまま大幅ゲインかと思われた瞬間、相模原DBベン・ポルトリッジが木田の直前でキャッチ、そのままインゴールまで走り切る。「キックは自分の頭を越えると思って、タックルに行かなきゃと思って木田のほうに向かっていたら、意外にボールを空中に長くいたので」と、切り替えてキャッチ。17-17の同点に追いつく値千金のトライだった。
後半5分、S東京ベイのJD・シカリングにトライを奪われるも、LOウォルト・スティーンカンプがトライして、24-22と逆転。その後は互いに反則やミスで苦しむが、S東京ベイのファンデンヒーファーに2つのPG(後半18分、26分)を決められて、スコアは、24-28。しかし、終盤になっても相模原DBのフィットネスは衰えることがなかった。4点を追う後半30分には、ヘモポの突進でゴール直前に迫りスティーンカンプがトライして、29-28と逆転。33分にはポルトリッジがトライを奪う。ところが、2トライともグレイソンのゴールが入らず、34-28と、1トライ1ゴールで逆転される点差を残してしまう。試合終了間際にグレイソンがPGを狙ったが、これも入らず、逆襲を受ける。キックの名手としては珍事ともいうべき事態になったが、最後は守り切って歓喜のノーサイドとなった。
王者からの勝利で4勝4敗の勝ち点は18となり、順位はひとつ上がって8位に。「選手を誇りに思う」と相模原DBのグレン・ディレーニーヘッドコーチ。「普段より20、30%上のパフォーマンスを出す必要があったが、選手がやってくれた」。勝った瞬間は涙もあった岩村キャプテンは「すごく嬉しかったのですが、完璧な試合ではなかったです。ミスもありましたので」と気を引き締めていた。
敗れたS東京ベイは4位から6位に後退した。フラン・ルディケヘッドコーチは「勝ちたいチーム同士が力を出し切った試合だった。いい面もあったし、ミスもあった。リーグワンの質が上がったということ」とおだやかに話した。立川理道キャプテンも「うまくいかない原因を自分たちで作ってしまった」とミス、反則で守る時間が多くなった試合を冷静に振り返っていた。S東京ベイは第9節(3月9日)、東大阪市花園ラグビー場でトヨタヴェルブリッツと対戦。勝った相模原DBは本拠地の相模原祇園スタジアムでコベルコ神戸スティーラーズを迎え撃つ。
村上 晃一