格闘技イベント「RIZIN」の試合はどう決まる? マッチメイク担当者を直撃
RIZINをブランドに、格闘技を文化に「格闘家が胸を張れる環境に」
──それでは今後のお話もお聞きしたいです。朝倉未来選手や朝倉海選手といったスター選手が離れる中で、今後どのようにRIZINを盛り上げていこうと考えているんでしょうか? 柏木信吾 2人に関して言えば、本当に自ら進んだ道なので、我々としては卒業のような位置付けで気持ちよく送り出しています。 彼らが人生の次のチャプターを進む中で、「RIZINがあるからこそ今の自分がある」と思ってもらえればいいと思います。「じゃあスターがいなくなってどうするの?」と言われた時には、「つくればいい」というのが正直なところです。 ──なるほど。 柏木信吾 あと我々が目指すところは、「誰々が出るからチケットを買う」よりも、「やっぱりRIZINって、誰が出ても、いつ行っても、面白いよね」って思えるようなイベントになることが大事だと思います。 たとえば、フジロックフェスティバルは開催が発表された時点で、誰が出るかわからないにもかかわらず、チケットを買うファンがたくさんいらっしゃるじゃないですか。ブランドが確立しているからこそだと思うんですけど、RIZINもそこを目指したい。 そういう意味で、大晦日大会は少しずつそういう存在になりつつある印象です。「やっぱり大晦日は格闘技(RIZIN)だよね」と、とりあえず大晦日のチケットを買っておくというファンの方々が増えてきていると思います。 ──文化とブランド力。 柏木信吾 そうです。そしてもう一つ、格闘技や格闘家という存在が、しっかりと社会で市民権を得られるような状況をつくっていきたい。それは我々運営側の仕事なんじゃないかと思ったりしますね。 たとえば海外では、UFC選手はすごく尊敬される存在です。日本ではまだまだ「格闘家です」「UFC選手です」と言ったところで、ちょっと引かれてしまったりポカンとされてしまったり。 格闘家が胸を張って「自分は格闘家をやっています」と言えるような環境をつくるための努力は続けていきたいです。