【南井克巳元調教師 豪腕の視点】ソウルラッシュは馬がコースや千六の走りを分かっている 今後は外国の有力馬にも注目
「マイルCS・G1」(17日、京都) 混戦のマイル王決定戦を制したのは、若武者が駆る4番人気のソウルラッシュだ。昨年の2着など高かったG1の壁を7度目にして突破。鞍上の団野大成騎手(24)=栗東・斉藤崇=は昨年の高松宮記念(ファストフォース)以来となる2つ目のG1タイトルをつかんだ。2着は7番人気のエルトンバローズ、3着は10番人気のウインマーベル。1番人気のブレイディヴェーグは4着、3番人気に支持された外国馬のチャリンは5着に終わった。 ◇ ◇ ソウルラッシュは快勝でしたね。千六もG1も何度も走っていましたし、その経験が生きました。勝負どころでルメールの馬が近くにいて、ちょうどいい形だったと思います。道中もいい雰囲気で走れていましたし、馬がコースや千六の走りを分かっている感じがしました。団野君も上手に乗って、馬の脚をしっかり引き出していましたね。 そのルメールのブレイディヴェーグは、勝ち馬と同じようなレースをしてしっかりさばいてきましたが、勝ち馬と比べて伸びるまでに時間がかかりました。この辺りは千八以上の距離を使ってきていて、千六が初めてというのもあったんじゃないでしょうか。逆に早めに抜け出した3着のウインマーベルは、千二、千四を中心に使ってきていた馬でしたからね。最後は差されはしましたが、それを思えばよく頑張りました。2着のエルトンバローズはいいスタートを切って、我慢をして、しまいを生かす形。西村淳也君は一番いい競馬をしていたと思います。 私が期待していた外国馬のチャリンですが、ダッシュがつかずに追っつけながらで、ついていくのが少ししんどい感じでした。外を回って最後は5着と力のあるところを見せてくれましたが、テンに楽についていければ違っていたと思います。 全体的に見応えのあるレースになりましたし、こうして力のある外国馬が日本に来てくれるのはうれしいことです。ジャパンCにも久々に外国の有力馬が来ますし、どんな走りを見せてくれるのか楽しみにしています。(元JRA調教師)