若い世代に「無加工主義」の波 上半期に一番売れた「パック」の理由 画像は〝盛る〟から〝ノーマル風〟
今年上半期に最も売れたものは「パック」――。調査会社インテージが、そんな結果を発表しました。なぜスキンケアの「パック」に注目が集まるのか。Z世代向けに化粧品などコスメ関連情報を発信している「Nom de beauty」編集部に話を聞きました。(withnews編集部・金澤ひかり) 【画像】パックを「練る」ってどういうこと……?
前年比154%の伸び
調査会社インテージが、全国6千店の小売店販売データを元に算出した今年上半期(集計は1月から5月)の「売れたものランキング」では、1位が「パック」(前年比154%)という結果になりました。 調査からは、他の年代に比べて15歳から29歳の層に特に人気があることがうかがえます。 そこで、美容に関心のある高校生から20代後半に向け、インスタを中心にコスメ情報を発信している「Nom de beauty」(N.D.Promotion運営)に、パックがトレンドになっている理由や、売れ筋商品の特徴を聞きました。 消費者に近い目線でトレンドを追っている編集部メンバーが多く、編集部の大庭彩香さんは「パックが1位」に「納得感があります」と語ります。 「一般的には、コロナが5類に移行してからはマスクを外して生活をする人も増える中で、美容への意識の高まりがみられると言われますが、若者に関してはSNSでのトレンドが影響しているといえると思います」 これまでは、動画や写真撮影のアプリでエフェクトを使って「加工」し「盛る」ことが主流でしたが、最近の流行は徐々に「素」を好む傾向に移行しつつあるのだと大庭さん。 「最近は『無加工主義』なんて言葉も流行っています」
「無加工主義」の流行
「無加工主義」は、SNSなどに投稿する顔写真や動画に加工をしないこと。 大庭さんによると、数年前まで加工をすることが多かった写真や動画の撮影も、最近ではあえてノーマルカメラで撮ったり、アプリによっては、「ノーマル風に見せるフィルター」という加工もあったりするそう。 ここ数年、若者の間で流行している画像投稿SNSアプリ「Be Real」には、加工機能が付いていません。Be Realは、ランダムで来る通知のタイミングで、制限時間内に写真を投稿して交流するアプリです。 「韓国プリクラ」という、加工や落書き機能のないプリクラも流行しています。 「『無加工主義』の流行は、要するに、無加工の状態でも綺麗な顔でいたいという思いが強まっていることの現れだと思います」 「無加工主義」に欠かせないとされるのが、「元の肌が綺麗なこと」。それを実現させるためにパックが流行っているともいえるそうです。