若い世代に「無加工主義」の波 上半期に一番売れた「パック」の理由 画像は〝盛る〟から〝ノーマル風〟
YouTuberも成分を解説、背景に美容商品の多様化
大庭さんは、「パックもそうですが、よりよい美容液を使いたいという需要も感じます。『成分買い』もされています」と指摘します。 はて、「成分買い」? 「レチノール、ビタミンCなど含まれる成分を重視して商品を買う人が多いんです」 いわゆる美容系YouTuberは最近、動画内で商品を紹介する際に、成分の解説もすることが多いそう。 これまでの美容系YouTuberは、「自分が使ってみてよかった」など、ざっくりとした説明をする人もいましたが、最近人気を集める発信は、成分まで説明して評価する投稿なのだといいます。 「最近だと中国や韓国、アジアのコスメが多く展開されるようになり、種類がかなり豊富になりました。そんな中で、消費者もどれを選んだらいいかわからなくなってしまっている結果、解説が求められているのだと思います」と大庭さんは話します。 パックの最近の流行の中には、粉状の成分に水分を混ぜ合わせて練り、顔に塗る「モデリングマスク」もあります。練る行為が「動画映え」し、エンタメ性があって人気が高まっているのだといいます。
30、40代も購入率上昇
インテージの調査によると、特に女性のパックの購入率(調査期間中に1回でも商品を買った人の割合)が増えています。全体では昨年上半期の15%から18.5%に上昇し、年代別でも、常に購入率が高い15歳から29歳の層に、30代と40代が近づきつつある傾向がみえています。 同社は「外出増での化粧品需要の回復を背景に、韓国コスメの拡大や有名タレントによるパックブームが起きるなど、複数の要因が後押ししたようです」としています。