“3人の職人”の技 ホテルの自慢の一品「究極のステーキナイフ」 打刃物・家具・漆塗り職人が結集「挑戦は日常、死ぬまで勉強」
■「柄」を作るのは家具職人
畑山さんが鍛えた「刃」は飯綱町の家具店「ウッドファクター」へ。 店主の大川直男さん(49)。家具づくりは20年以上になります。「柄」の製作と取り付けを任されました。 家具職人・大川直男さん: 「手打ちの刃物で、厚みとか幅とか、1本1本違うものを60本合わせないといけない。大変だけどやりがいもある」
刃を埋め込む「溝」。彫るのはこの春、修業先から戻った息子の翼さん(26)です。 溝に刃を合わせるもー 家具職人・大川直男さん: 「ちょっと合わない」 大川直男さん: 「これ広げなきゃだめだ」
大川さんが削り直して微調整―。 大川直男さん: 「いいはまり具合になった。紙1枚とか紙2枚くらいの違いなんですけどね。きつすぎず、緩すぎず」
刃と柄を留める「リベット」を打ち、面取りなどを経て大川さんの作業は終了です。 家具職人・大川直男さん: 「1本1本違って、職人さん(畑山さん)が心を込めた手作りなんだなと感じながら、自分も負けない仕事をしようと触らせてもらいました」
■漆塗り職人が仕上げ
ステーキナイフのバトンは木曽へ。仕上げの漆塗りを任されたのは、職人歴16年の岩原裕右さん(45)。 漆塗り職人・岩原裕右さん(45): 「ここまで両職人さんともしっかりと仕上げてくれたので、私で何かミスがあってはいけないので、かなりプレッシャーも感じています」 この日は、柳原料理長が見学に。 THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田・柳原章央料理長: 「長野の伝統工芸をお客さんに提供したい。それを説明できないと使っている意味もないと思ったので」
岩原さんは60本のナイフを10種類の異なる色や柄に仕上げることにしました。 そのうち2種類には木の年輪に似た模様が現れる、「堆朱(ついしゅ)塗り」という技法を用いることにしました。
まずは「型置き」。タンポという道具で、模様をつけていきます。 漆塗り職人・岩原裕右さん: 「楽しみは楽しみですけど、一番ドキドキする工程です」