会社員40歳ですが、本当にお金が貯まりません。ただ退職金が「2000万円」の予定なので、このまま貯蓄なしでも大丈夫ですかね…?
インターネットやSNSを見ていると、「手取りの○割は貯金!」や「私は○歳で貯金○万円あります! 」といった文章を目にすることはありませんか? 他人のことであり気にする必要はないと思っても、なんとなく気になってしまうという人もいるでしょう。 本記事では、お金が全然貯まらない人が、退職金2000万円を当てにしようとしているケースについて考えてみます。果たしてそれで大丈夫なのでしょうか。
40歳4人世帯で年収450万円なら貯金できないかも?
まずは40歳の4人家族の場合どのくらいの生活費がかかるのかを解説します。総務省統計局の家計調査(2022年調査)で、世帯のうち1人が働いている4人世帯の1ヶ月当たりの収入、支出のデータを見てみましょう。 これによると、40歳から44歳の世帯における消費支出の平均は29万4732円で、月々の生活に約30万円が必要という結果になっています。 一般に年収に対する手取りの割合は70%から80%なので、手取り30万円は年収450万円(80%の場合)程度と考えられます。つまり、年収450万円以下の40歳4人家族は収支トントンになるので、貯金できなくても当然かもしれません。
退職金2000万円があるのでこのままでも大丈夫?
では、貯金0円+退職金2000万円の状態で、年金を受け取ることができる65歳から老後生活に入った場合、90歳(※)まで生活できるのかを計算してみましょう。 ※日本の平均寿命は男性81.05年、女性87.09年ですが、現在40歳の人が寿命を迎える時代には、平均寿命はもっと長くなると考えられることから、90歳まで生活すると仮定します。 まず65歳以降の収入です。日本年金機構によると2023年度の年金受給額の例として、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な厚生年金の金額は月額22万4482円となっているので、本記事ではこれが90歳まで続くと仮定します。 これに対して生活費はどの程度なのでしょうか。前掲の家計調査では、2人以上の世帯の収入、支出を年代階級別に算出しています。これによると、2人以上世帯の消費支出の平均額は図表1のようになっています。