「1本140万円」の超高級日本酒も登場…唎酒師が解説「大吟醸でも特別純米でもない」日本酒の新ジャンル
■唎酒師が伝授「おいしい日本酒の見分け方」 投資対象にしないまでも、日本酒はいまのうちに楽しんでおかないと、気軽に飲めなくなる可能性があります。いまのうちに日本酒を楽しんでおくために、唎酒師の私が日本酒の選び方を紹介しましょう。 そもそも日本酒は大きく2つの種類に分かれます。普通酒と特定名称酒です。普通酒は大衆的な日本酒で全体の約70%を占めます。一方で特定名称酒は純米酒、吟醸酒、大吟醸酒などがあり、すべて合わせても全体の約30%しかありません。 特定名称酒は「純米酒」か「原料の米をどのくらい削っているか」(精米歩合)によって、8種類にわかれます。「純米酒」は原料に醸造アルコールを使わず、米と麹だけでつくった日本酒です。 精米歩合は、大吟醸が50%以下、吟醸が60%以下、本醸造が70%以下となっています。たとえば、純米大吟醸といった場合には、「原料に醸造アルコールを使っておらず、精米歩合が50%以下」の日本酒となります。米を削っていくと、たんぱく質や脂質などの雑味がなくなり、とくに真ん中には心白(しんぱく)という部分があります。心白だけを削り出して日本酒をつくると、雑味の少ない日本酒ができます。 普通酒は米、米麹、醸造アルコールでできています。一般的な居酒屋で飲まれているのはこのタイプです。普通酒は基本的に辛口です。一般的に辛口と呼ばれているのは普通酒のことです。このほかにも「にごりの度合い」「発泡性」「加熱処理しているか」などによって、枝分かれしていきます。 ■吟醸酒は薫酒、純米酒は醇酒 一方で日本酒を香りとコクで分けると、4つに分類できます(次ページの図表2)。熟酒は長期熟成したもので香りが高く、コクのある味わいです。薫酒(くんしゅ)は大吟醸や吟醸など、精米歩合が高くフルーティーさの高い日本酒です。味はさらっとしています。日本酒のうまみが高く、アルコール臭くない日本酒といえます。 醇酒(じゅんしゅ)は特別純米酒や純米酒でコクはありますが、フルーティーさは高くありません。外国人が好みます。爽酒(そうしゅ)は普通酒の多くが含まれます。いわゆる辛口の日本酒で独特のアルコール臭があります。神社でいただくお神酒はこの分類に入ります。 日本酒好きが好むのは、薫酒と熟酒です。これらの味をいったん知ると、醇酒や爽酒には戻れなくなります。これから価格が上がっていくのも、薫酒や熟酒だと考えられます。