"可愛い義足”でメダルを…陸上と絵本作家の二刀流・前川楓がパリパラへ 苦しみ変えたトップ選手との2カ月
人生を楽しむ。前川選手は練習の合間に大好きな絵を描いています。
前川選手: 「幼稚園くらいから描いているんですけど、iPadを買ったのがこの5年くらいですかね。イタリアに行っていた時に、ジェラートが美味しすぎて感動して、Tシャツにしました。本当いろんな国に行って、いろんなものを見て、いろんな人に出会って、本当に自分の世界も視野も広がったなって思います」
■陸上も絵本も“作品作り”…パリでは「これ以上ないくらいの力を出し切る」
前川選手が描いた絵本、主人公は「義足のくうちゃん」です。
前川選手: 「『わ、何あの変な足』とか『ロボットみたい』とか、その言葉で私は全然傷付かないんですけど、それがもし『見て、くうちゃんと一緒の足や』に変われば、全然受け取る側としては違うなあっていう風に思って」 前川選手に「くうちゃん、パリへ行く」をテーマに描いてもらいました。 絵に集中すると10時間も描いてしまうといいますが、およそ5分後、国旗が服に描かれた、全身でフランスを表現したかわいらしいくうちゃんが描きあがりました。
前川選手: 「やっぱり“走る”っていうことにフォーカスした絵本を出したいなっていう風に思って。足が2本あった時って“走る”って別に特別なことじゃないじゃないですか。でも、義足ってなると結構特別なことになって。“走る”っていうことってすごく大事なことだなって」 走ること、絵を描くこと、人生を楽しむこと。 前川選手: 「どっちも作品作りをしているっていう感覚ですね。絵とかだと描きながら、あ~違うな違うなって言いながら消して描いて、自分の頭の中にある完成形を求めて色々描いていくんですけど、陸上に関しても違う違うって言いながら毎日毎日練習して、その『5mを跳んでいる自分』っていう作品を作るためにやっているような感じ」 前川楓選手、26歳。パリパラリンピックの舞台で最高傑作を描きます。
前川選手: 「目標は、自分がこれ以上出し切れないくらい全部の力を出し切ったって思えるようなパフォーマンスをすることです。私の全力で競技する姿が、何か皆さんの力になればすごくうれしいなと思うので、全力で頑張ってきます」 前川選手は日本時間9月6日の午前2時の走り幅跳びと、7日の午後6時27分からの100メートル予選(決勝は8日午前4時22分)に出場します。 2024年9月4日放送