JX金属、大和証GやモルガンSなどIPO主幹事起用へ-関係者
(ブルームバーグ): ENEOSホールディングス傘下のJX金属が新規株式公開(IPO)の主幹事に大和証券グループ本社や米モルガン・スタンレーなどを起用することが、複数の関係者への取材で分かった。来年3月にも上場の予定で、本格的な準備に入る。時価総額は7000億円から1兆円が見込まれる。
JX金属のIPOは海外投資家にも株式を売り出すグローバルオファリングで、ジョイント・グローバル・コーディネーターに大和証GやモルガンS、みずほフィナンシャルグループなどを起用すると事情に詳しい関係者が明らかにした。東京証券取引所への上場は3月中旬が有力だ。
同社の上場は時価総額ベースで今年10月に株式公開した東京地下鉄(東京メトロ)を抜き、直近6年間で最大規模となる見通し。2024年度の国内IPO市場は活況で、ブルームバーグの取材によれば、今後、ヘアケア製品などを手がけるファイントゥデイホールディングス(HD)やキオクシアホールディングスなどの大型上場も見込まれる。
JX金属の広報担当者はブルームバーグの取材に対し、できるだけ早く上場したいとしたが、具体的な日程や売り出し規模、主幹事選定などについてはコメントできないとした。証券各社の広報担当者は個別の事案であることを理由に言及を控えた。
JX金属は、半導体の製造工程などで使用されるスパッタリングターゲットと呼ばれる材料で世界トップのシェアを持つ。米半導体製造装置メーカーのアプライド・ マテリアルズのサプライヤーでもある。
人口減や燃費改善などを背景に国内石油需要の減少が続く中、石油元売り最大手のエネオスHDは再生可能エネルギーや水素など脱炭素事業の拡大を急いでいる。資本効率改善や成長事業への投資のために資産売却を進めており、10月にJX金属の株式上場申請を行ったと発表していた。
JX金属の社員数は3月末時点で9282人(連結ベース)。2024年3月期の売上高は1兆5131億円、営業利益は811億円で半導体材料セグメントが3割強を占めた。エネオスHDの株価は8日午後、IPOの詳細が伝わると下げ幅を縮小した。