トランプ次期大統領とカリフォルニア州のEVをめぐる争いの行方は?…自動車業界全体に影響を及ぼす可能性(海外)
自動車メーカーは排気ガス規制の緩和をおおむね支持
トランプはカリフォルニア州の規制を撤回しようとする際、法的な対立に直面することになるが、彼の側に立つ自動車メーカーもいる。 アメリカのほとんどの新車メーカーが加盟するロビー団体「自動車イノベーション協会(AAI)」は、すでにトランプに対して排気ガス規制を緩和する一方で、EVを手頃な価格で維持するための連邦税控除を維持するよう求めている。 AAIが12月18日に発表した声明で、ジョン・ボゼラ(John Bozzella)CEOは、EPAによる規制は予想されていた展開であり、トランプ次期政権は2025年にそれを撤回する可能性が高いと述べている。 「交通分野での炭素排出を削減するために、国全体で単一の基準を設けるべきだと我々は主張してきた。しかし、カリフォルニア州や追随する他の州が車両排気ガスプログラムを実施する際の基本的な権限に関する問題は、最終的には政策立案者と裁判所が解決すべきことだ」 トランプや一部の共和党議員、化石燃料の利権に関わる団体は、大統領選挙活動中にEVを繰り返し攻撃し、アメリカ人はガソリン車を廃止せざるを得なくなるという誤った主張をしてきた。 こうした攻撃は、EV市場が需要の著しい減速に直面し、多くの企業が電力駆動車の長期計画を見直さざるを得なくなり、場合によってはハイブリッド車を増やすことを余儀なくされている状況の中で起きている。生産台数の縮小により、多くの企業にとって長期的な排気ガス規制に準ずることが困難になっている。ゼネラルモーターズ(GM)、フォード(Ford)、ステランティス(Stellantis)などの自動車メーカーは、数千人もの従業員を解雇している。 自動車市場のアナリスト、環境を専門とする弁護士、政策専門家らは、ゼロエミッション車への移行がホワイトハウスの主が誰であろうと続くと考えているが、トランプ政権がEV購入や充電インフラへの投資に対する税制優遇措置を覆せば、そのペースは遅くなるだろうとBusiness Insiderに語った。 「トランプが今度の政権で何をしようとも、自動車メーカーが抱く安定性への懸念は再浮上するだろう。なぜなら、これらのメーカーはすべて、ゼロエミッション車が未来だと考えているからだ」と、カリフォルニア州の排気ガス規制に対する連邦基準の適用除外をめぐる訴訟で環境防衛基金(EDF)の代理人を務める弁護士のショーン・ドナヒュー(Sean Donahue)は述べている。 彼は、他国の規制当局からも気候危機に対処するよう圧力がかかっているとも付け加えた。アメリカの自動車メーカーも、手頃な価格のEVが普及し始めた中国などの競合他社に大きく遅れを取ることを望んでいない。