理想のZ900RSを追求!サス、スイングアーム、ホイール…大物パーツを投入して、その調律を楽しもう!【アクティブ Z900RS試乗】
文/Webikeプラス 小川 勤 【画像】理想のZ900RSを追求したアクティブのZ900RSをギャラリーで見る(20枚)
デモ車を製作してわかる、機能パーツの完成度と相性
カワサキZ900RSは、さまざまなコンストラクターやユーザーがカスタムで思い思いのスタイルを生み出し続けているマシン。いま、日本でもっともカスタムされているビッグバイクと言っても過言ではなく、2017年のデビュー以降、その勢いは止まらない。 コロナ禍では新車より高い中古車が誕生し、バイクを入手するのも困難な時期が続いたが、最近では新車も流通し始め、中古車の台数も豊富、さらに価格も落ち着き始めている。だからこそ、いまカスタムが面白い。 アクティブでもZ900RSはデビュー時から力を注ぎ続け、常にモディファイを続けているマシン。ドレスアップパーツからハードパーツまでそのバリエーションは豊富だ。 このカワサキKR500カラーを纏ったアクティブのZ900RSは、2023年のモーターサイクルショーでお披露目。その佇まいは昔ながらのカワサキらしさに加え、モダンクラシックな雰囲気も持ち合わせている。幸運にも試乗する機会に恵まれたので、そのインプレッションをお届けしよう。
ライダーのリアルな声に応えるアクティブのものづくり
このZ900RSの特徴は、走りのポテンシャルを予感させる足まわりの豪華装備だろう。ハンドリングはとても穏やか。ライダーを急かさない味付けだ。 オリジナルの『口の字断面(目の字や日の字でなく角パイプの中に仕切りがない)』のスイングアームは、ノーマルよりも縦剛性を確保しつつ、横剛性を最適化することでしなやかさを得ている。コーナー立ち上がりでスロットルを開けた際に、後輪のグリップを作りやすい。ネイキッドというよりは近年のスーパースポーツのフィーリングに近く、それは最新のラジアルタイヤの性能をも考慮したもの。同社で以前から製品化しているプレスフォーミングスイングアームの特性を踏襲しつつ、「やはり角パイプのルックスが良い」というカスタマーの声に応えたものだ。 前後サスペンションはハイパープロ製。フロントはノーマルフォークにスプリングとオイルを組み込み、リヤはフルアジャスタブルモノショックを装着している。前後のバランスは良く、ピッチングの少ないしなやかな動きを約束。ゲイルスピード製のアルミ鍛造ホイールは軽やかさをもたらし、同ブレーキは制動時もリリース時もレスポンスが良い特性だった。 そして、好印象だったのがステップだ。剛性感と節度の良さ、そしてステップバーのグリップの高さはスポーツライディング時に理想的なステップワークを約束。コーナーの切り返しで身体を入れ替える際、特にアウト側の足でステップを踏み込んだ時の応答性が抜群で、シフトタッチも気持ちが良かった。 ステップを構成する部品の大半がアルミの7075材(ほとんどのリプレイスステップは2000番台か5000番台で、番手が大きくなると硬くて高価になる)で製作され、コストのかけ方とこだわりがカスタムパーツの領域を超えているのだ。まるでレーシングマシンに使用されるような材料と設計が、市販車とは思えない操作感をもたらしてくれる。