「全米女子オープン」最年少Vから3年 笹生優花の変化と現在地
メジャー第2戦「全米女子オープン」の開幕を前に、2021年大会覇者の笹生優花が単独取材に応じた。日本人で初となるメジャー2勝目の期待を背負う22歳の現状を追う。(聞き手・構成/石井操) 【画像】テキサス州ダラス 笹生優花の自宅を訪問
メジャーで芽生えた楽しみ
朴仁妃(韓国)に並ぶ「19歳11カ月17日」で遂げた全米女子オープンの最年少優勝。笹生は3年前、日本女子では樋口久子、渋野日向子に続く3人目のメジャー覇者となった。本大会はアマチュア時代の2019年から6年連続での出場となる。「準備は結果に繋がるキッカケ」と大会を終えるごとにチーム内で反省会を行い、1年後に生かしていくことが毎年のルーティン。初出場の時とは違う“楽しみ”を内に秘めて臨んでいるという。 今季8試合に出場し、予選落ちは2週前の前戦「みずほアメリカンズ・オープン」のみ。「まずはケガなく全部のメジャーに出るのが(今季の)一番の目標。二番目はメジャーの試合前の準備として、できるだけ予選落ちをしないで入りたい」。大会2勝目に向けてほぼプラン通り、盤石の状態で大舞台へ乗り込めそうだ。
トレーニングの変化と新たな学び
笹生のトレーニングといえば、幼少期から両足に重りをつけて下半身を強化してきたことでも知られる。しかし現在は、その取り組みに変化が起きている。 今季に入り、自重を生かして体幹などを鍛えるトレーニングが中心になった。「ケガをしないように」が一番の理由。「2年鍛えたら10年間ケガをしないというわけではないけど、やり続けないといけないこと。どれだけ長くゴルフを続けていけるかが大事なので、そこに集中している」と説明した。
幸いにもプロ転向から休養を挟むほどの故障はないが、試合をこなしていくことで「体に違和感をもつことは何試合かあった」という。帯同してきた父・正和さんによると、2020年「日本女子オープン」(福岡/ザ・クラシックGC)で手首を、21年「AIG女子オープン」(全英女子)で首を痛めていたそうだ。 「アメリカに来た21年から『ちゃんとした人に見てもらいながら、ケアをしていかないといけない』とは考えてはいたけど、情報がなくて。自分に合うトレーナーさんはどういう人がいいのか、何を目的にすればいいのかが自分の中ではっきり分かっていなかった」。周囲の選手の助けも借りながら情報を集め、ようやく昨年末、今季から帯同する末野秀実トレーナーとのやり取りが始まった。