「全米女子オープン」最年少Vから3年 笹生優花の変化と現在地
「正しい体の動かし方がやっぱり分かっていなくて。自分でトレーニングをやっていたけど『体が変わってきたな』とか『良くなっているな』って、あんまりなかった。いまは色んな事を学べている。いい方向に進んでいると思う」 末野トレーナーからもらった骨や筋肉について細かく書かれた解剖学の本を読みながら、体についての理解を深めている。「(体の)部位を覚えると『大体ここらへんなんだ』じゃなくて『筋肉のココを使っているんだ』と分かって自分も安心する。いま動いた筋肉でこうなるんだって」。痛める要因を探り、痛めないための動きができるように鍛える。新たな学びが、不安なく強振できる一打を後押ししている。
引退するときはくる。だから日々、全力で
4月「シェブロン選手権」の会場で、笹生は涙を流した。“オンニ(姉)”と慕っていた11歳年上のユ・ソヨン(韓国)が33歳での引退を決めたラストゲームだった。自身は6月に23歳になる。退くことなんてまだ考えてもいないが、いつか「引退するときはくる」ことは分かっている。 「もう22歳ですからね。まだ引退は見えていないけど、自分が15歳の時とは違ってそこに向かっていくわけですから。自分はいつになるか分からない。でも、ソヨンさんと同じくらいの歳で引退するんだろうなというアイデアはあります。ゴルフってずっとやれる感じではあるけど、やっぱりゴルフ以外の人生が薄れていっちゃう。ちゃんと区切りをつけられる人は強いと思う」
I have golf in my life.Golf is not my life.
8歳から続けてきたゴルフは、笹生にとって大きな存在かと思えば「GOLF is My Life(ゴルフが私の人生)ではない」と強く首を横に振った。 「自分の人生があって、その中にゴルフがある。“I have golf in my life. Golf is not my life.”自分のキャパシティが100だとすると、ゴルフは50ぐらいを占めていて、それ以外は家族とか。ずっとゴルフしかしていないので、ゴルフがなかったら今の自分はないし、成長するのにずっとゴルフが一緒だった。だから、40歳、50歳になった時に『いい思い出だったな』って言えるように、いま頑張っています」