【旬の新ごぼう】管理栄養士が教える、柔らかくて食べやすい新ごぼう「栄養を逃さない下処理のコツ」
春に収穫されるごぼうを新ごぼうといいます。ごぼうの旬は冬ですが、新ごぼうも栄養が豊富です。早く収穫している分、やわらかくて、えぐみも少なく食べやすいのが特徴です。そんな新ごぼうの栄養と栄養を逃さない調理方法を紹介していきます。 <写真>【旬の新ごぼう】管理栄養士が教える、柔らかくて食べやすい新ごぼう「栄養を逃さない下処理のコツ」 ■新ごぼうの栄養とは ■■食物繊維 ごぼうには食物繊維が多く含まれています。その中でもイヌリンとリグニンが豊富です。水分を吸収して腸の動きを活発にしてくれます。水に溶けやすい水溶性の食物繊維は腸内環境を整えたり、血糖値が急に上がることを抑えてくれたりと嬉しいはたらきがあります。エネルギーも低く、噛み応えがあり満腹感もありダイエットや生活習慣病の予防にも期待できる栄養素です。リグニンには腸内の発がん性物質を外に出すはたらきがあり、大腸がんの予防に期待できるといわれています。 ■■カリウム 体内に含まれている塩分を外に出すはたらきがあります。筋肉のはたらきをコントロールしたり、血圧をさげるはたらきにも関わっています。 ■■マグネシウム 骨に存在しているためカルシウムとの関りが深く、筋肉のはたらきを調整しています。心臓が動いていることもこのはたらきによるものです。エネルギーやたんぱく質を作り出したりと生命を維持することに重要な栄養素です。 ■栄養を逃さない調理法とは ■■皮ごと調理 ごぼうの皮にクロロゲン酸やタンニンといったポリフェノールの一種が豊富に含まれています。なので皮は剥かずにこそげ取るように、たわしなどでしっかりと洗ってから調理します。 ■■水にさらす時間は短く アクを抜くために水や酢水につける場合は短時間を心がけると良いです。水につけたときの茶色い成分がポリフェノールです。栄養分が流れ出てしまわないように5分以内を意識しましょう。 ■■切り口を大きく 肥満の予防やがん予防が期待できるリグニンという成分のはたらきを最大限に活かすために、ささがき、乱切りや大きく斜めに切ってから調理をする。切り口の面積を大きくすることを心がけてみてください。 ■まとめ 今しか手に入らない新ごぼう。やわらかくて香りもやさしいので普通のごぼうが苦手な方も食べやすいです。新ごぼうにはビタミン類が含まれていないため、ビタミンが豊富な豚肉やブロッコリーなどの緑黄色野菜などと組み合わせて食べることをオススメします。栄養を逃さない調理法もぜひ試してみてください。 参考文献: 正しい知識で健康をつくるあたらしい栄養学 高橋書店 eヘルスネット厚生労働省 ライター/こばやしなつき 管理栄養士。病院での大量調理や栄養士業務を経験。高齢者福祉施設にて利用者様の健康マネジメントに携わる。妊娠を機に退職。妊娠中に食事の大切さに改めて気づき、こども・ママ・家族みんなが笑顔で過ごせるようサポートしたいと思うように。現在は妊娠中の食事やこどもの栄養について情報を発信。栄養や健康に関する記事執筆などを行っている。マタニティ雑誌「マタニティSTYLE2024」レシピ掲載 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)