立浪監督の誤算…中日“3年連続最下位”を小笠原道大はどう見たのか?「3年では足りなかった」じつはあった“変化の兆し”「去年、一昨年と比べると…」
3年連続最下位…“立浪監督退任”の中日に思うこと
――そして、小笠原さんの古巣でもある中日について。立浪和義監督3年目の今季も浮上は叶わず、3年連続の最下位という結果に終わりました。率直に、中日の苦境をどう見ていましたか。 小笠原 抜本的に変わることができなかった。3年では時間が足りなかった、とも言えますし、それだけじゃない理由もあるでしょう。ただ、去年、一昨年の2年間と比べると、若手の起用、成長という意味で少し変わってきていたと思います。投手陣では高橋宏斗はもちろん、育成から上がってきた松山晋也(43HPで最優秀中継ぎ投手に)の活躍もあった。野手も20代前半の岡林勇希と石川昂弥に加えて、村松開人や田中幹也が定着して、福永裕基も3割(規定打席未満ながら打率.306をマーク)を打った。そういった戦力が以前から頑張っていた選手たちとうまく融合して、少しずつ変わりつつあったのかな、と。 ――たしかに今後に期待できる選手たちが芽を出してきています。 小笠原 ただ、彼らも他の選手が入ってきたときに安泰かというとそうではない。ドラフトやFAで獲得した新戦力であったり、外国人選手であったり、力のある選手が揃って競争が生まれ、切磋琢磨してレベルアップしていくというのが健全なサイクル。そこからが本当の勝負になります。なおかつ、初めて結果を出したシーズンの翌年というのは難しい。他球団が必ず対策を練ってくるので。だから彼らもよりしっかりと自分の強みを確立しないといけませんね。 ――若手の成長というポジティブな成果が見えた一方で、立浪監督としては最後まで編成面、戦力を整えるという部分で苦労していた印象です。 小笠原 これはね、非常に難しいんですけど……。若手が全員成長するわけでもなければ、実績のある選手が必ず活躍するわけでもないので。もう大前提として、予算も含めて決まったなかでやらなくちゃいけない部分はありますよね。そのなかでなんとか補強をしたりしていたんですが、そこで歯車が噛み合わなかったのかな……。 【「立浪監督でもう1年見てみたかった」中日OB小笠原道大の本音】に続く
(「プロ野球PRESS」曹宇鉉 = 文)
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