立浪監督の誤算…中日“3年連続最下位”を小笠原道大はどう見たのか?「3年では足りなかった」じつはあった“変化の兆し”「去年、一昨年と比べると…」
「広島の大失速…いったいなぜ?」小笠原道大の視点
――広島の大失速は衝撃的でした。9月を首位で迎えたチームがAクラスに入れないのはプロ野球史上初めてのことです。 小笠原 投手陣を中心になんとか保ってきたバランスが、最後の最後に崩れてしまった。9月11日の巨人戦、9回に9点を取られた試合(守護神の栗林良吏が6失点し、逆転負け)が象徴的でしたね。あのあたりから一気に下降線を辿っていった。もう酸欠状態です。その理由を考えると、いろいろな意味で経験が足りなかった。頭のスタミナ、気持ちも含めて、1年を最後まで完走する体力がなかった。ただ今季の経験、悔しさは、間違いなく選手たちの血となり肉となると思います。 ――広島の得点数はリーグ5位。勝敗を問わず、ロースコアでの競り合いが多かった印象です。そういった「ギリギリの戦い」をしてきた疲労やストレスが最後に出てしまった、という一面もあるのでしょうか。 小笠原 たしかに見えない部分で疲弊していたのかもしれません。特にシーズン終盤は、常に張り詰めているところにさらにもう一段、張り詰めてやらなくてはいけないので。新井(貴浩)監督にとっても初めて経験することが多く、平常心が崩れたのかな、という気がしました。「来季は変化する年になる」と話していたように、このオフからチーム作りのアプローチを少し変えていくそうなので、そこに注目していきたいですね。
連覇を逃した阪神「野手が攻守に精彩を欠いた」
――2位の阪神にも連覇のチャンスはあったように思います。CSでDeNAに敗れてしまいましたが、去年のような強さを見せられなかった要因をどう考えていますか? 小笠原 勝った次の年ということで、当然、他球団にも研究されていたと思いますが……。まず「普通にプレーすれば取れていたアウト」を取れなかったケースが、去年に比べて多かったのかなと感じました。加えて、クリーンナップにつなぐ近本光司が多少出遅れた。中野拓夢もよくなかった。厳しい言い方になりますけど、この1・2番が機能しないと打線になってこない。阪神はそれほど確実性のあるクリーンナップじゃないので、余計に“分断”されてしまった印象はありますね。 ――昨季は「チカナカ」が出塁することで、攻撃面でさまざまな揺さぶりをかけることができていましたね。 小笠原 彼らは2人で2倍、3倍の相乗効果を発揮するコンビですからね。このバランスが崩れたことで攻撃の選択肢が狭まってしまった。あとはやっぱり守備でしょうね。 ――佐藤輝明のエラーの多さがしばしば指摘されていました。 小笠原 彼だけじゃないんですが、先に言ったように「取れるアウト」を逃して、そのぶんピッチャーに負担がかかってしまった。抑えの岩崎優も少し疲れていたように思います。ただ投手陣というよりも、やっぱり野手の方が、攻守において去年と比べて少し精彩を欠いていたのかな、と。
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