<鮎ガール>日本一早い鮎釣り大会に参戦してみた【秩父荒川】
試合開始。決勝に進出するぞー!
8時30分になると試合開始の花火が上がった。一斉にオトリが放たれる中、私はしばらく竿を出さず、周りの様子を見ることにした。あまりにも川の水は冷たく、陽も出ていなかったので、朝は厳しいと考えての行動であった。さらに、11時までの試合時間の中で、少しでも元気な状態でオトリを持っていたかったのも理由のひとつ。 開始20分経った頃、岩盤の白泡の中にギランと大きく輝くものが見えた。「これは鮎がいるぞ~!」。ハナカンを通し、オトリ1号の出動だ!下流から白泡へとオトリを送り込むと、オトリの動きが激しくなった。間違いなく近くに鮎が居るはず。そう思った瞬間、目印が一気に岩盤の溝へと引き込まれた。 タモに収まったのは予想に反し、19cm程の濃い追星を携えた良型の鮎であった。この鮎を放つと、実に良い泳ぎをしてくれた。その鮎が白泡に差し掛かると、今度はひったくるようなアタリが…。サイズはダウンしたものの、これまた、〝まっきっき〟の鮎であった。幸先良いスタートに「これは行けそう!」と思ったのもここまで。その後、1時間まったく反応なし…。人だらけで動くことすらできない。 丁寧に釣りをすることだけを心掛けて、ポイントを隈なく探っていたところ、残り1時間を切った頃、上流の選手が移動しポイントが空いた!すかさず、ひとつ上の岩盤へと移動し、オトリを放つと反応が…最初に釣れた良型の鮎をオトリにすると「スッコーン!」というアタリ。「やっときた~!」と喜んでいたも束の間。時すでに遅し…。無情にも試合終了の花火が鳴り響いた。 検量に向かうと22尾のカウントが耳に入ってきた。「そんなに釣れるところがあったのか!」と驚いてしまった。どうやら分流とエリア最上流近くで良い釣果が出ていたようだ。予選では上位5名が20尾オーバーと素晴らしい釣果であった。決勝ボーダーは9尾となり、30名の決勝進出者が決定した。
大接戦の決勝!勝負の舞台は分流で繰り広げられた!
今回、友人たちが決勝に駒を進めていたので、私は応援を!オトリが配られると、多くの選手は分流へと歩を進めた。やはり予選で好釣果が出ていたポイントは人気だ。 大会本部前のポイントには、いつも鮎釣りを教えてくれる「泳がせの名手」のアニキ!そして毎年、遠征を共にする友人も座を取った。その他、解禁日に出会った「小学生鮎釣り師」の姿も見られた。 開始の合図とともに、泳がせの名手のアニキが即掛かり!そこからが凄かった…なんと、怒涛の入れ掛かりを見せたのだ!腰を下ろし、狭い分流のポイントを実に丁寧な泳がせで、次々に鮎を釣り上げていく。開始早々でこの釣果はもう、優勝じゃないか!?と言えるくらいのペースである。 その頃、上流の友人にも1尾目がヒット。こちらもそれ以降、良いペースで数を稼いで行った。分流に入り1尾目に苦労する選手もいたが、1尾が掛かれば連発する選手も多かった印象。小学生鮎釣り師の少年は、開始早々根掛かりをしてしまい最初の1尾を獲るのに苦戦していたが、小学生とは思えぬ落ち着いた様子であった。 そして1時間ほどが経った頃、分流で連発していた選手たちがペースダウン。小さなポイントなので、追う鮎をある程度獲ってしまうとペースは落ちてしまう。そのため、ここからが腕の見せどころ。泳がせの名手は流石、少しずつポイントをズラし、葦のキワキワまで丁寧に攻め、釣果を伸ばす。 この頃1人ハイペースで鮎を掛ける選手の姿が…それは最初に苦戦していた小学生の鮎釣り師だった。入れ掛かりを連発し怒涛の追い上げを見せる少年。応援団も大盛り上がり! 残り15分になる頃には分流に入った選手達の釣果は拮抗し、どの選手が優勝を掴み取るかわからない状況となっていた。 本流に入った選手は、午後も川の状況が好転せず苦労していた。