仮設商店街から元気を 門前・總持寺通り、12日プレオープン 衣料や酒、雑貨11店意欲
●初日はマルシェ 能登半島地震で大きな被害を受けた輪島市門前町の總持寺通り商店街で12日、仮設商店街が開業する。付近は豪雨被害を免れ、店主らは「仮設商店街から元気を発信したい」と意気込み、開店準備に汗を流す。初日は門前マルシェ(北國新聞社後援)を開催し、地域に買い物客と活気を呼び込む。 店主らでつくる総持寺通り協同組合の能村武文代表理事(67)によると、震災で加盟する34店のうち、約20店が営業できない状態になった。このうち衣料品店や酒販店、居酒屋など11店が、商店街沿いの3カ所に分かれた仮設商店街で営業を再開する。 当初は12日に合わせてオープンイベントを開催する予定だったが、奥能登豪雨を受けて11月9日に延期した。12日はプレオープンとの位置付けで、7店舗が営業を開始する。 プレ開業が近づく中、7、8日には門前高生がボランティアで店の準備を手伝う予定で、能村代表理事は「多くの人のおかげで営業が再開できる。暗い話題が多い中、地域に明るさを取り戻したい」と力を込めた。 仮設商店街で雑貨店「沢田陶器店」を再開する沢田由紀子さん(75)は震災前と同じように、店内に客が座って話せる椅子とテーブルを置く。「地震で気軽に茶飲み話ができる場が少なくなった。気晴らしの場になればうれしい」と期待した。 市によると、市内の仮設商店街は門前町の3カ所のほか、河井町に2カ所、町野町で1カ所の計6カ所を整備する方針。河井町のJAのと輪島支店敷地内に建てる4店舗は年明けまでに完成する予定。他の2カ所は現在、立地や規模などについて入居希望の商店主と調整中で、完成時期のめどは立っていない。