謙信役を演じたGACKTさんは、甲冑も馬も自前だった!スケールが超ド級の先人、越乃は新潟愛を旗印に戦に臨みます!
100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第79回は「上杉謙信公ゆかりの地を訪ねて-春日山城跡、春日山神社-」のお話です。 (写真提供◎越乃さん 以下すべて) 【写真】上杉謙信公を祭神として祀っている春日山神社でツーショット * * * * * * * ◆男役と再び向き合う時 宝塚を退団した時、もう男役はしないと決めていました。 男役は宝塚で終わりにするのだと。 退団して3年後、「エリザベートガラコンサート」のお話が来た時も、コスチュームと髭は断固として拒否しました。 あんなに大好きだった黒燕尾を着て踊ってほしいというお話がきても、男役が見たいと言われても、丁寧にお断りをしてきました。 退団して10年。 男役と再び向き合う時が来ようとは…。 故郷・新潟から、今年8月に行われる第99回謙信公祭に、上杉謙信公役で出演させていただくことになったのです。 上杉謙信のお話を頂いた時、何の迷いもためらいもなく「やりたい!」と思いました。 むしろ男役を楽しめる余裕すら生まれています。 人はつくづく自分勝手な生き物です。
◆春日山城跡、春日山神社へ 上杉謙信公ゆかりの地を巡る旅は、謙信公のお墓のある林泉寺から春日山城跡、春日山神社へと足を進めます。 謙信公の居城としても知られる春日山城跡は、国の指定史跡であり、日本百名城にも数えられています。 複雑な自然の地形を巧みに利用した春日山城の堅固な城塞は、難攻不落の天下の名城といわれました。 標高180mの山頂本丸跡からは、日本海や頸城平野、それを取り巻く山並みをも一望できます。 が、この日は本丸までは行けず。 絶対にまた参りますと、中腹にある謙信公の銅像に誓いました。 パンフレットなどでよく見る謙信公の銅像はここにありました。 城下を見下ろす謙信公の銅像のかっこよさに見惚れます。 春日山神社は、山形県米沢市の上杉神社から分霊され、謙信公を祭神として祀った神社です。 童話作家・小川未明の父である小川澄晴によって創建されました。 境内に隣接する春日山神社記念館には、謙信公の遺品・資料などが展示されています。 宮司さんにいろいろなお話を伺いました。 謙信公祭の日、上杉軍各隊の武将が春日山神社前に参集します。 出陣前に先立ち、神社の祭神「謙信公」に玉串奉奠を行い、安全を祈願します。 謙信公、皆の安全をお守りください。 鎧兜の我々の敵は、目下武田軍よりもこの暑さになりそうです。 今年の夏は異常な暑さです。 謙信公祭のお話を頂くまで、新潟出身の私もこのお祭りのことをあまり知りませんでした。 謙信公祭は、謙信公の武勇と遺徳を称え偲び、1926年(大正15年)から一度も中断されることなく、上越の人びとの手によって毎年開催されてきたお祭りです。 以前、NHKの大河ドラマ『風林火山』で上杉謙信公役だったミュージシャンのGACKTさんが謙信公役で出演され、甲冑を着て馬に乗っている姿をテレビで見たことがありました。 その神々しさをはっきりと覚えています。