中国新興EV10月販売:理想汽車は5万台で依然首位、零跑汽車は低価格モデルで2位に躍進
4位:ZEEKR
吉利汽車(Geely Automobile)傘下の高級EVブランド「極氪(ZEEKR)」の10月の販売台数は、前年同月比92.0%増の2万5049台だった。1~10月の累計販売台数は16万7922台となった。 10月には新型MPV(多目的車)「MIX」を発売。価格は27万9900元(約590万円)と安くはないが、通常の3倍近くに上る開発費をかけ、吉利の技術の粋を集めた新車種とあって、大きな反響を呼んでいる。 ZEEKRは2021年に設立され、24年には高級EV市場でテスラに対抗するため「ZEEKR 007」を打ち出し、注目を集めている。25年には日本市場にも進出する計画だという。
5位:小鵬汽車
小鵬汽車(XPeng Motors)の10月の販売台数は、前年同月比20.0%増の2万3917台だった。1~10月の累計販売台数は12万2478台となった。 小鵬は11月7日、世界初の人工知能(AI)搭載車「P7+」を発売した。価格は20万9800元(約440万円)から。同社は、次の10年はAI搭載車が焦点となるはずだとしている。その幕開けを飾るP7+の売れ行きに注目したい。
その他:
蔚来汽車(NIO)の10月の販売台数は、前年同月比30.5%増の2万976台と6カ月連続の2万台超えを果たした。10月はトップ5入りを逃したが、1~10月の累計販売台数は17万257台と新興勢では4位につけている。 スマートフォンメーカーによる初のEV「SU7」で注目を集める小米汽車(Xiaomi Auto)の10月の販売台数は2万台を突破し、11月には年間目標の10万台を達成する見込みだという。さらに、10月29日にはSU7シリーズの最上位モデル「SU7 Ultra」を発表し、大きな反響を呼んだ。81万4900元(約1700万円)と超高額な販売価格にもかかわらず、予約開始から10分で予約注文が3680台を超えたという。発売は2025年3月を予定している。 ちなみに、業界最大手の比亜迪(BYD)の10月の販売台数は、前年同月比66.2%増の50万526台と前月に続き過去最高を更新した。1~10月の累計販売台数は323万台を突破。すでに2023年の年間販売台数を超えている。
むすび
2024年も残り2カ月を切った。すでに自動車購入に関する各種補助金政策は終了しているが、上位勢各社はさらなる価格競争を繰り広げ、販売台数を伸ばすとみられる。一方で、余力のない企業は市場競争の波にのまれ、沈んでいくだろう。かつて上位勢の一角を占めた哪吒汽車(NETA)は、現時点で10月の販売台数を発表していない。 *1元=約21円で計算しています。 (36Kr Japan編集部)