大井鉄工所、鉄骨溶接ロボット更新。生産効率化
Hグレードファブの大井鉄工所(本社・滋賀県甲賀市、社長・大井民生氏)はこのほど、溶接加工時間の短縮や生産効率の向上のために鉄骨溶接ロボット1台を更新し、稼働を開始した。設備更新にはものづくり補助金を活用した。 導入した設備はコマツ産機製の柱大組溶接ロボットシステム「RAL20」で、最大加工サイズはコラム(BCR)1千ミリ角。従来シングルアークだったものをツインアークに変更したことで、これまでに比べて溶接時間の短縮やより加工ラインの効率化が可能になった。 「RAL20」はワークをポジショナーにセットするだけで、クレーンによる反転作業不要で長時間の連続運転が可能となる。さらに厚板溶接時の長時間無人運転可能などの特徴があり、省人化や省力化にもメリットがある。 大井鉄工所は関西地区を中心に建築鉄骨製作を担う地区有力ファブリケーターで、月産加工量は700~800トン。同社はこのほかにもカーボンニュートラル(CN)に向けた取り組みを進めており、今回の設備投資でCO2排出削減効果を記録するなど、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証取得に向けてCNへの動きを加速させていく方針だ。 大井社長は「足元の鉄骨需要は厳しい状況にあるが、来年の後半以降には物件が見えている。今後もCNへの取り組みを進めながら、人手不足などに対応できるよう、設備面の整備も進めていきたい」とする。