スズキの8耐ファクトリーチーム「チームスズキ CN チャレンジ」 チームディレクターに直撃インタビュー(中編)
ライダーやチームの人選はいかにして行われた?
2024年のFIM 世界耐久選手権第3戦「鈴鹿8時間耐久ロードレース」に、スズキが「チームスズキCNチャレンジ」として参戦します。マシンの仕様やチーム体制のあれこれをプロジェクトリーダーの佐原伸一さんにお聞きしたインタビューの第2弾(全3回)です。 【画像】「チームスズキ CN チャレンジ」が手掛けた「GSX-R1000R」を画像で見る(16枚)
―――今回はゼロから編成されたチームだと思いますが、規模はどれくらいですか? サーキットでユニフォームを着て仕事する、という意味では、ライダーを含めて30名ほどです。ヨシムラSERTと、ほぼ同じくらいだと思います。 ―――どうやって人選したのでしょう? スズキは、2022年までMotoGPで活動していたわけですが、その撤退に伴い、いわゆるレースグループのメンバーは、それぞれ所属が変わりました。そこでその経験者を主要なポストに置きたいという私個人の意志がありました。マップに長けている人だったり、車体を手掛ける人だったり様々ですが、まずはメカニック。なぜなら、ライダーの命を直接預かる立場だからです。 ―――なるほど。それが何名くらいですか? 約10名です。もちろん、本人にその気があることが大前提で、あったとしても所属部署の上司の許可が必要ですから、協力をお願いして回りました。他のポジションは、社内公募という形で希望者を募りました。 ―――それはいつぐらいのことですか? 東京モーターサイクルショーで、今回のプロジェクトを発表したのが3月21日。それまでは社内とはいえ、プロジェクトについてあまり公にできなかったものですから、公募はその後です。 ―――つい最近と言ってもいいですね。反響は大きかったのではないですか? 各自で上司の了承を得てから、という条件付きの公募でしたが、ありがたいことに100名くらい集まったんです。やる気と能力があっても部署の都合で断念せざるを得ない人もたくさんいて、レース活動に興味を持ってもらえているんだな、と本当に嬉しかったです。 ―――そこから絞っていくのは大変でしたね。 必要に応じて面接もして、最終的な決定は4月後半までかかりました。残念ながら今回採用に至らなかった人も次の機会には、ぜひチャレンジしてもらいたいですね。