多くの日本人が知らない!「台湾有事」が度々ウワサされる「驚きの理由」
「安全保障を専門とするジャーナリストとして20年以上活動してきた中で、 今ほど戦争の危機を感じる時はありません。」 【写真】中国が保有するミサイルの数々…! 知らぬ間に「米国のミサイル基地」と化している日本の現状に、 安全保障の専門家たちが一斉に警鐘を鳴らす! 石破茂政権に注目が集まる「いま」こそ知っておきたい、 日米安保をめぐる「衝撃のウラ側」が、 『従属の代償 日米軍事一体化の真実』で明らかになる。 ※本記事は布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』から抜粋・編集したものです。
台湾をめぐり米中の緊張が高まっているのはなぜか
中国は、台湾の「平和的統一」を基本原則としています。ただし、台湾が米国の支援を得て「独立※1」しようとした場合などには、武力を使ってそれを阻止する選択肢は放棄しないと明言しています。 2022年10月に開かれた第20回中国共産党大会で習近平総書記が行った報告の中でも次のように述べています。 「われわれは、最大の誠意をもって、最大の努力を尽くして平和的統一の未来を実現しようとしているが、決して武力行使の放棄を約束せず、あらゆる必要な措置をとるという選択肢を残す。その対象は外部勢力からの干渉とごく少数の『台湾独立』分裂勢力およびその分裂活動であり、決して広範な台湾同胞に向けたものではない」 一方、当の台湾は今すぐの「独立」は目指していません。 現在の民進党(民主進歩党)政権は、「独立」でも「統一」でもなく「現状維持」、つまり「中華民国」体制を続けていく方針です。 民進党は1991年に改定した綱領で「台湾共和国の建国」を目標に掲げましたが、1999年の党大会でこれは事実上棚上げしました。この方針は現在も変わっていません。 また、米国も「台湾の独立は支持しない」という中国との国交正常化以来の基本方針を堅持しています。 台湾と米国のこの方針が変わらない限り、中国が"武力行使のレッドライン"を踏み越えることはなく、台湾海峡で戦争が勃発する可能性は低いと思われます。それにもかかわらず、中国と台湾や米国との間で緊張が高まっているのは、なぜでしょうか。 ※1 台湾問題の文脈で語られる「台湾独立」とは、台湾が中国であることを否定し、台湾を領土とする中国とは別の独立国家になることを意味している。たとえば、国名を現在の「中華民国」から「台湾共和国」に改めるなど。