漫画家・猿渡哲也の「烈侠伝」 第3回ゲスト・岩城滉一「『北の国から』の北海道ロケではすべてが吹き替えなしのガチンコだった」
■妻・アンナからは仕事とお金の金言を 猿渡 岩城さんは多趣味で、しかもどのホビーもとことん極めるという印象があります。射撃は、クレー射撃ですか? 岩城 そうです。射撃は、エアライフルを学生時代からやってるから、かれこれ40年ぐらいになるかな。もともと、射撃で国体の選手を目指してたんですよ。 でもまあ、そこでもいろいろ越えられないハードルがあって、それじゃ意味ないじゃんってことで、その後、レースにのめり込んでいくんですけどね。ただ、射撃は今もやります。射撃場も経営しているし。 猿渡 そうなんですか!? 岩城 ええ、「神奈川大井射撃場」っていいます。東名高速道路の大井松田インターの近く。長らく僕は射撃クラブの会長をやってたんだけど、先代がご高齢になり、売るっていう話になって、それでご縁あって買い取ったんです。 猿渡 趣味がそのまま仕事になる人生、うらやましいです。 岩城 それ、よく言われるんですよ(笑)。バイクや車に乗ってて、レースに出たら勝っちゃって、プロ扱いとか。 20年の暮れからYouTubeで『#51TV』っていう番組を始めたんですけど、企画で軽トラックを自己流で改造して発表したら、メーカー経由でブレイクしたり。 よし、明日からアメリカに行って、バイクでひとっ走りしてくるわって言うと、そのまま仕事になっちゃったりね。 猿渡 ふと思ったんですけど、奥さまの結城アンナさんは、急にアメリカに行くって言っても、全然OKなんですか? 岩城 全然OK。「それがパパの仕事。パパの場合は、仕事にならないのが仕事なのよ。お金になる仕事は後からついてくるものよ」って。 猿渡 素晴らしい! 岩城 いいかげんにしろとか言われたことないです。一回だけだな、ダメ出しは。アクロバット飛行用の飛行機を購入したとき。「お願いだから、パパ、それだけはやめて」と。 猿渡 やっぱり、話のスケールが違いますね(笑)。今、僕は65歳なんですけど、終活とかを考えている場合じゃないですね。 岩城 僕もありましたよ。還暦を迎えた後、何事にも意欲が薄くなりかけた時期が。でもね、60代後半からまた、じわじわと。バイクで走ってて、俺遅くなったか?って、周りに聞いても、そんなことないですよ、と。 あ、年齢って関係ないじゃんって思い始めたら、そこからはすごく楽になりました。今のほうがむしろ元気。自慢するわけじゃないけど、ほら(猿渡氏に自らの腹筋をじかに触らせる)。 猿渡 うわ、めっちゃ硬い! 岩城 じじいなんて言わせないよ、若い連中に。〝スーパーじいさん〟と呼べって(笑)。