株式取引にいちばん有効な情報「適時開示」は、いつ見るべき?
真夜中に適時開示を行う会社もある?
適時開示が行われる時間帯はだいたい9時から19時で、8時頃や20時頃に行われる適時開示がぽつぽつある程度です。ただ、ごくまれにとんでもない時間帯に適時開示を行う会社があります。 「こんな時間になぜ?」と思うような真夜中や早朝に適時開示を行う会社が、ごくまれにあるのです。 そうした会社は、常識が欠落しているか、何か問題を抱えている会社のはずです。それを念頭に置いて、適時開示を読むといいでしょう。適時開示の内容にもそれが表れていると思います。
開示時期が決まっている適時開示
時開示が行われる時間帯と同様、適時開示が行われる時期も、はっきりと決まったものはないのですが、開示時期に傾向があるものがいくつかあります。 まず決算短信は決算期末の30日から45日後頃に開示されます。4月末から5月半ばにかけて新聞の企業欄に3月決算の会社の決算情報がずらっと掲載されているのをご覧になったことがあるかと思いますが、それは決算短信の情報を写したものです。 有価証券報告書は決算期末から3カ月以内の開示と決められていますが、決算短信には明確な開示期限が設けられていません。しかし、証券取引所が、期末後45日以内での開示が適当で、30日以内での開示がより望ましいとしているため、決算期末の30日から45日後頃の開示となるのです。以前は決算期末の45日後に開示が集中したのですが、最近は早まってきています。 なお、四半期決算短信も、明確な開示期限が設けられていないのですが、45日以内の開示と決められている四半期報告書よりは早く開示すべきと考えられるため、通常、四半期決算期末から30日以内に開示されます。
開示時期に傾向がある適時開示とは?
決算短信と四半期決算短信の場合は、ほぼ開示時期が決まっているといっていいかと思います。それらほど開示時期がわかりやすくはないのですが、決算情報に関連する情報として、業績予想の修正の開示時期には傾向が見られます。 業績予想の修正に関する適時開示は、随時必要に応じて行われるものなのですが、決算月の翌月に多く開示される傾向があります。これは、決算期末後、今期の業績が業績予想からかい離することが明らかになった時点で開示されることが多いためです。 開示時期に傾向を見出せる適時開示は、ほかにはなかなか見当たらないのですが、あえてあげるとすると、代表者と監査法人の異動に関する適時開示でしょうか。それぞれ決算月の翌々月にやや多く開示されます。定時株主総会以降の役員体制や、契約を締結する監査法人を決めるのが、その時期に当たるからかと思われます。