〈会見大荒れ〉「斎藤さんをここに呼んで!」知事に釈明を丸投げされた代理人は、改変前の“折田note”を読んでおらず…「♯がんばれ」は陣営考案と認める
SNSやYouTubeを使った活動は契約ではなくボランティア
ただこの日、斎藤氏の代理人を務める奥見司弁護士が問題発覚後、初めて記者会見を開き、斎藤陣営の言い分を整理して主張した。ところが折田氏の主張を否定する説明には次々と疑問の声が飛び出した。 説明によると斎藤氏は、失職前の9月末ごろ、選挙ボランティアを探す中で折田氏夫妻が協力してくれると支援者から紹介を受けた。そして9月29日に選挙参謀の男性と共にmerchuを訪問。 その場で折田氏から「チラシのデザイン制作やSNSの利用」を含む、「選挙で協力しうることの説明」を受けている。 翌日以降merchuからはポスターデザイン制作やYouTube用動画撮影を含む「いくつかのプランと見積もり」が斎藤氏側に届くようになり、10月9日までに口頭契約が結ばれた。結局、斎藤氏の後援会はmerchuに、ポスターデザイン制作など5項目の代金として計71万5000円を11月4日に支払っている。 これらの項目の中には折田氏が提案した「SNSの利用」や「YouTube用動画撮影」にからむ項目は含まれていない。これらが支払い対象になっていれば問答無用で買収に問われたはずだ。この時から公選法違反に抵触するとの認識が折田氏側にはなく、陣営側にはあったことがうかがえる。 奥見氏は、選挙で折田氏が夫とともに斎藤氏公式応援アカウントの取得や街頭演説の動画の撮影・アップロードも行なったと説明しながら、これらはボランティアで、公選法の買収には当たらないと主張。 「社長(折田氏)がnoteで記載されているようなSNS戦略を依頼したということや、広報全般を任せたということは事実ではありません」と強調した。 だが、ここまでの説明を振り返ると、当初ボランティアに手を挙げていたはずの折田氏が、斎藤氏の会社訪問の翌日から「プランと見積り」の送付による営業をかけ、その中のいくつかが実際に契約されていたことが分かる。 同時に、斎藤氏へのプレゼンやプラン送付で売り込みが図られたSNSやYouTubeを使った活動は契約ではなくボランティアで折田氏が手掛けることになった、とされている。 だが、SNSを駆使したPRが本業のmerchuが、主力商品をタダで提供するだろうか。折田氏は自身のYouTubeチャンネルで、選挙で「広報全般を任せていただいており」「人生過去一忙しい」と話し、全精力を選挙に注いでいることを隠していない。