『違国日記』瀬田なつき監督 初めて会った時から新垣さんは槙生ぽかったです【Director’s Interview Vol.414】
最初から槙生ぽかった新垣結衣
Q:新垣さん演じる槙生は漫画の登場人物ならではのキャラクター性を持ちつつも、しっかりと実在の人間として存在していました。新垣さんとはどのようなことを話されましたか。 瀬田:最初にお会いしたときに、結構ラフな格好でフッと現れたんです。その姿を見た時点で「槙生っぽいなぁ」と思いました。それから、脚本の感想やキャラクターのこと、気になったことなどを伺ったのですが、すごく丁寧に言葉を選びながら真摯に話してくださいました。その飾ることのない感じも槙生っぽいなぁと。 新垣さんに槙生をやっていただけて本当に良かったですし、すごい安心感がありました。私からは漫画に似せてくださいとは特に言ってはいませんでしたが、新垣さん自身が原作を読まれて、脚本を読み込んでくださった上で、槙生というキャラクターを自身の中に落とし込んで、演じてくれました。 Q:早瀬憩さん演じる朝は感情のうねりを中に秘めつつも、それが直接表に出てくる部分は多くはありません。そこを見事に表現されていたように思いましたが、早瀬さんとはどのようなことを話し演出されたのでしょうか。 瀬田:早瀬さんとはオーディションでお会いしました。脚本を読む力や、こちらが伝えたことを掴んでくれる聡明さがあり、朝が持つ楽観性やどこか達観した感じ、ふとした瞬間に見せる親を亡くした喪失感など、そういった雰囲気が出せる感じもありました。まだまだ染まっていなくて、柔軟に、こちらが言ったことを吸収して挑戦してくれる若さもありました。撮影当時の本人も朝と同じ15歳だったので、朝という役を自分に重ねてくれていました。思い切ってやってくれた部分もあり、一緒にやって楽しかったです。 Q:リハーサルや本読みなどは行われたのでしょうか。 瀬田:新垣さん、早瀬さん、夏帆さんとは一度だけ本読みをやりました。一方で、早瀬さんとえみり役の小宮山莉渚さんとは、やれる限り何度もやりました。撮影時は時間が取れないので、事前に本読みをした方が色々と相談できてすごく良かったです。