「1人で自由に走りたい」「写真を撮りたい」 視覚障害者を「AI」が支援
「コツ・コツ・コツ」 そして、ラインからずれると、音に変化が… 「ドッ・ドッ・ド」 さらにラインを完全に外れると… 「ストップ・ストップ・ストップ」
視覚障害者は、この音を頼りにラインから外れないようにすることで「一人で走ること」が可能になるのです。 この装備を使って、一人で走った御園さん。直線では紫のラインに沿って走る一方、カーブに差し掛かると、外へ膨らんでしまう場面もありました。向きを修正しますが、今度は内側へ入りすぎてしまい、壁の直前で、ぎりぎりストップしました。 御園政光さん 「(見えないので)いつカーブになるかっていうのは、そもそも分かっていない。音を聞いて初めて認識するので、多分ワンテンポ遅れているんですよね」 急カーブでは御園さんは、目で見て曲がる体勢を取れないので、音だけだと動きだしに時間差が出るというのです。
それでも、約1時間“一人”のランニングを楽しんだ御園さん。 御園政光さん 「爽快の一言ですかね。一人で走れる喜びは何にも代えがたい。近くの公園とか、そういったところで一人で走れるっていうようなものが実現できたら、本当にうれしい」 Googleは、前のランナーとの距離や障害物を認識できるよう、さらに開発を進めるということです。
視覚障害者を支援する技術がすでに生かされている場所もあります。千葉盲学校では、弱視の生徒たちが「カメラ」を使った授業を受けています。 カメラを使う生徒 「あっ! きれいに見えます。細かい花びらがたくさん集まってるみたいな」 裸眼では見えにくいはずですが、被写体を中心にとらえて、撮れていました。
秘密は、ソニーとQDレーザ社が作った「網膜投影カメラ」です。 ソニー・イメージングマーケティング部門 伊藤美和子さん 「視覚障害がある方でも、くっきりとした映像を見ることが期待できる。網膜に向かってプロジェクターで映像を投影するかのように」