「1人で自由に走りたい」「写真を撮りたい」 視覚障害者を「AI」が支援
日テレNEWS NNN
日本テレビが「地球にいいこと、人にいいこと」を考える『Good For the Planetウィーク』略してグップラ。今回は「視覚障害者を支える取り組み」についてお伝えします。 「写真を撮ってみたい」「1人で自由に走りたい」。視覚障害がある方のそんな思いをAIなどを使い実現する新たな技術を取材しました。
家族に手を引かれてやってきたのは、視覚に障害のある御園政光さんです。視力がまったくないため、食事では… 御園政光さん 「すいません、説明してもらっていいですか」 御園さんの妻 「1時方向に『鶏の唐揚げのチリソース煮』です。12時方向に『シューマイ』です」 アナログ時計の針の位置になぞらえて、「おかずの位置」を教えてもらいます。
御園さんは、先天性緑内障のため8歳頃から視力を失いました。 学生時代は陸上競技に打ち込み、30代後半から始めたマラソンのベストタイムは約3時間半。しかし、こんな思いが…。 御園政光さん 「思いついたらすぐに走れるっていうのが、一番良いことだと思うんですけど、やりたい時には伴走者がいないと走れない」
重度の視覚障害者は、練習でも大会でも、伴走者と「伴走ロープ」でつながって走ります。 「一人でも走りたい」。御園さんは、まさにその願いを実現するための研究開発に協力しているといいます。
耳には、外の音も聞こえる骨伝導イヤホン。そして腰にはスマホを装着。カメラは前に向けています。すると、御園さんは伴走者ナシで走り出しました。なぜ、“一人”で走れているのでしょうか? この研究開発をしているのはIT大手の「Google」です。 プロジェクトガイドラインチーム 小林育未さん 「スマートフォンに搭載されている機械学習の技術を使っていて、画像認識のAIが働いています」
御園さんが走っているトラックには、白線の他に「紫」のラインがあります。スマホのアプリに搭載された「AI」が、この「紫」のラインを判別し、「音」で指示を出しているのです。 プロジェクトガイドラインチーム 小林育未さん 「音をヘッドホンから(出して)右か、左か、中央かというのをランナーが理解して走る」 ランナーが紫のラインに沿って「直進している」時は…