それでも続ける理由~スキージャンプのレジェンド 葛西紀明48歳
ソチオリンピックの銀メダルから6年、スキージャンプのレジェンド葛西紀明選手は今年48歳になった。30年以上現役を続け、8回のオリンピックに出場。数々の栄光を手にしてきた彼は現役生活をいつまで続けるのか。辞めようと思うことはないのか? 本音を聞いてみた。(Yahoo!ニュースVoice編集部)
現役を続けられる理由
ーー48歳、まだ現役生活を続ける予定ですか? 葛西選手: じゃあ、逆に質問しますけど、どうして辞めなきゃいけないんですか(笑) けっこう辛口な人いるじゃないですか。いつまでやっているんだとか、若い選手に譲れ、とか、そんな人もいますけど 。 僕の統計上、若い選手か、年をとった選手ががんばると盛り上がるんですよ、全世界が、日本もそうですけど。本当にヨーロッパでも応援してくれる人がたくさんいますし。ここまで応援してくれるんだ、てことは活躍することによって、みんなが元気になる。もっともっと元気にさせたい、その期待に応えたい、そういうふうに思っちゃって。だから飛ぶのが楽しい。 もし、金メダルを次のオリンピックでとれたとしても辞めないと思います。
ーーどうしてそこまで自分を信じられるんでしょうか? 葛西選手: いろんな理由があるんですけど、まず、鉄よりも固い意志がある、ジャンプが好きというか愛している。反応、判断、気づき、ひらめき、そういったことがすべて僕に、そういう力がある。だから、いろんなルール変更とかがあっても、すぐに対応できる。40になろうが50になろうがいける、という風に思っています。 ーーとはいえ、年齢を感じることは? 葛西選手: しいて言えば、腰痛くなったり、膝痛くなったりというのはありますけど、それ以外は歳を感じたこともないし、あまり変わらないですね。やっぱり腰痛めたりすると、ちょっとじじいになったな、ってそういうのは感じますけど。
若手エースの小林陵侑選手について
所属チーム(土屋ホーム)の後輩である小林陵侑選手(24)が2018/19年シーズンでワールドカップの総合優勝を飾る。これは日本人選手としてはじめての快挙だった。ワールドカップの通算17勝は日本男子では歴代トップの葛西選手だが、総合優勝はいまだ手にしたことがない。率直な気持ちを聞いてみた。 ーー小林選手に総合優勝を先に取られてしまいましたが? 葛西選手: まあでも、教え子というか後輩だし、うれしいですけど、半分、悔しい気持ちもありますよね。嫌われてはないと思いますよ(笑) では小林選手は、同じチームの先輩であり監督でもある葛西選手のことをどう思っているのか? ーー小林選手にとって葛西選手とは? 小林選手: 僕にとってはいろいろ教えてくれる存在なんで、すごくありがたい先輩ですね ーー葛西選手が続けている理由はなんだと思いますか? 小林選手: いや、飛ぶのが楽しいからじゃないですかね、シンプルに。