鶴岡八幡宮、神社本庁から離脱の理由は人事をめぐる執行部への不満…宮司が会見
全国の神社を束ねる宗教法人・神社本庁(東京)から離脱手続きを進めていた鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)の吉田茂穂宮司(82)が20日、記者会見し、「内部から本庁の正常化を目指すことを断念せざるを得ない」などと述べ、本庁執行部に対する不満が離脱の理由だと明らかにした。 【写真】神社本庁(東京都渋谷区)
神社本庁では、事務方トップの「総長」人事を巡って宗教的権威の「統理」による指名と役員会の議決とが異なる事態となり、裁判で争われている。吉田宮司は統理側を支持する団体の呼びかけ人の一人になっている。
離脱については、今月3日に県の認証を受け、法人規則変更の登記を済ませた後、県に報告書を提出して手続きを終えた。離脱で本庁に対する負担金などがなくなり、独自の運営ができるようになるといい、吉田宮司は「未来志向で伝統的精神性や文化を伝えていきたい」と話した。同神社の神職は、本庁の定める資格や身分を失った。
神社本庁は同神社の離脱について「引き続き公益法人として法令を順守した運営を行うとともに、全国の神社の興隆を図っていく。鶴岡八幡宮には歴史ある神社としての役割を果たしていただきたい」とコメントした。