“映え”より“生々しさ”を求めるZ世代――最高執行責任者が描く、BeRealでの“リアル”なコミュニケーション
さらに、一部のトップスポーツチームもBeRealに参加している。バスケットボール界ではシカゴ・ブルズ、ホッケー界ではボストン・ブルーインズ、野球界からはボストン・レッドソックス、サッカー界からはパリ・サンジェルマンのチームが挙げられる。将来的にはぜひ、日本のスポーツチームにもBeRealに参加してほしい。
BeRealによってユーザーが友達とつながり、彼らのリアルな生活を垣間見ることを可能にしてきたように、セレブリティーやブランドも自分達の“リアル”を見せ、コミュニティーとより親密に連携する場を求めている。企業はブランドアンバサダーにブランド公式アカウントの投稿を託したり、新商品を開発する担当者にアカウント運営を任せて新商品情報を紹介したりすることで、より親近感とリアリティーのあるプロモーションを行なっている。私達も驚くような、たくさんの斬新なアイデアが日々生まれ続けているのだ。
WWD:企業やセレブリティーのオフィシャルアカウントが成長する時、BeRealの特性である“より親密でリアルさを追求したアプリである”という世界観を保つことは可能なのか?
サルツマン:ユーザーとのコミュニケーションから、自身の友達からリアルで即興的なコンテンツを見るのと同じように、ブランドやセレブリティーからもリアルなコンテンツを見たいと望んでいることを学んだ。広告ではなく、BeReal専用に作成された “Time to BeReal”というアラートに対応した、自分では詳細にコントロールできないコンテンツのことだ。
友達同士が深いつながりを築く場所であるというコアの価値を損なうことなく、公式アカウントもコンテンツを提供できるようにするために、BeRealではセレブリティーやブランドが既存のユーザーと同じルールに従うことを徹底した。公式アカウントのユーザーだからと言って、“Time to BeReal”アラートがいつ届くかを知ることはできないし、アラートの時間通りに投稿をして、撮り直した回数ももちろんユーザーに知られることになる。そもそもこれらの公式アカウントをフォローしなければ、これまで通り友達同士のつながりの上でのみ利用できるため、BeRealの世界観はこれからも確保され続けるだろう。