“映え”より“生々しさ”を求めるZ世代――最高執行責任者が描く、BeRealでの“リアル”なコミュニケーション
オンライン上のコミュニケーションをより健康的なものに
BeReal開発の背景について
WWD:他のソーシャルプラットフォームと比較し、“リアル”を追求した意義とは?
ロマン・サルツマンBeReal最高執行責任者(以下、サルツマン):ソーシャルメディアは私たちのコミュニケーションの仕方を変え、その多くはポジティブな変化だったが、その変化と同時に課題も生まれた。研究によれば、多くの若者が加工され、キュレーションされたソーシャルメディアの世界の影響で不安を感じ、時にはうつを患い、自分自身や自分の人生に対して否定的になっている。私たちはオンライン上での人々のコミュニケーションをより健康的な良いものにする手助けができると信じ、使命感を感じているため、BeRealにはそのような仕組みを取り入れた。“現実”と“真実”に焦点を当てることで、ユーザーが“本当の自分”であることを受け入れ、他のソーシャルプラットフォームが抱える課題の多くを取り除いている。その結果、世界中の人々がBeRealとその使命に共感している様子を見ることができてうれしく感じている。
現在、BeRealは世界中で場所を問わず、あらゆる年齢層で共感を呼び起こしている。学校で利用する若者や、祖父母とのつながりを保つために家族が使用するケースなど、さまざまなエピソードが日々寄せられている。そして現在、私達のユーザーはアメリカ、ヨーロッパに加え、アジアでも急速に増加中だ。
私達の目標は、BeRealで過ごす時間が1日の中で最高の瞬間になるようにすること。そしてユーザーが長時間スマホを眺めて過ごすのではなく、大切な人々と実際につながり、喜びを感じるきっかけを提供したいと考えている。
WWD:そのような人達に支持されることには、どのような理由や時代背景があると考えている?
サルツマン:Z世代だけに限らず、全ての人々が自分達を取り囲む世界に対して、よりリアルな視点を求めているのだろう。メリアム・ウェブスター社が発表した23年を表す言葉は“authentic(本物、現実)”だった。これは、人間らしい経験の中で起こる複雑な感情や、素直な気持ちを、率直に分かち合いたいという人々の欲求からきているのかもしれない。中でもZ世代は他の世代とは異なり、精神的な健康を重視している。私達はこれらの欲求を受け入れ、より健康的で満足できる、本物のソーシャルメディア体験を作り出すことに取り組んでいる。