ジョージアの親露派支配地域で「大統領」辞任 投資協定巡り対立
ジョージア(グルジア)からの一方的な独立を宣言している親ロシア派地域「アブハジア共和国」のブジャニヤ大統領が19日、辞任した。ロシアとの投資協定の批准に反対する野党支持者らが15日に中心都市スフミにある大統領府や議会に乱入して以降、緊張が高まっていた。タス通信などが報じた。 投資協定は、黒海周辺地域の不動産へのロシアの富裕層による投資を可能にする内容だった。野党側は、ロシアとの関係維持自体には反対しないが、ブジャニヤ氏が協定を利用して自身の体制を強めようとしているなどと批判し、退陣を要求していた。ブジャニヤ氏は協定を撤回すると発表したが反発は収まらず、「安定と憲法上の秩序を維持するため」として辞任を決め、議会に承認された。 グンバ副大統領が大統領代行となる。次期大統領選の日程は今後、議会で決めるという。 アブハジアはソ連崩壊後の1992年、ジョージアからの独立を一方的に宣言。2008年にジョージアに侵攻したロシアは、国家として承認するとともに軍を駐留させて後ろ盾になっている。【ブリュッセル岡大介】