<アグレッシブ・’21センバツ東海大甲府>第3部 選手紹介/6 /山梨
◇どんな役割でも貢献 赤井海人(かいと)投手(2年) 「ライト、できるか」。昨年の秋季大会後、村中秀人監督から聞かれた。投手としてマウンドに立つも結果が出ず、「公式戦で良い思い出がない。野球が楽しくなくなっていた」と振り返る時期だった。監督に「できます」と即答した。 最速143キロの直球が武器の速球派右腕。昨秋の関東大会では準決勝に登板し、1イニングを投げたが、変化球の制球が定まらず、直球を狙われ4失点。 大会後は右翼手や打者としての練習にも力を入れている。「打って、走って、投げて。野球をしている感じがして楽しくなった」と気持ちも前向きになった。直球のキレが増すなど投手としての調子も上がってきている。「どんな役割でも、チームに貢献したい」 ◇声出しベンチ元気に 木下芳風(よしかざ)捕手(2年) 帽子のつばの裏に「愚公移山」と書き込んでいる。根気よく努力すれば、道は開けるという意味だ。 軟式野球部に所属した中学時代に共に汗を流した同級生から高校進学の際に受け取った手紙に、この言葉が添えられていた。落ち込んだ時はつばを見て、自らを奮い立たせている。 高校入学直後は硬式への対応で精いっぱいだった。「バットは重く、打球も飛ばない。軟式の投げ方だと遠くまで投げられず、慣れるまで大変だった」と振り返る。手首などを鍛えるため、座った状態で砂の入ったボールをバウンドさせ、つかんでは放す動作を毎日500回続けている。 自分の性格は「人一倍元気」。「声を出してベンチを盛り上げたい」と語る。=つづく