AIの父ヤン・ルカンが相談役、「がんと戦う」Ataraxis AI
資金をあまり使わずに行えた開発
アタラクシスは、複数の病院と提携し、乳がん患者4500人以上の腫瘍の進行を記録した画像を使ってモデルをトレーニングした。同社は、Ataraxis Breastの開発に当たって異なるモデルを組み合わせ、それぞれの予測値の平均を使用することで個々のモデルのエラーを打ち消した。 ウィトウスキーによると、自己教師あり学習(SSL)のような手法と組み合わせることで、他のアプローチよりも桁外れに少ないデータと計算量で高精度な予測を可能にし、より安価にテストを行うことができたという。「資金をあまり使わずに開発が行えたため、我々の口座にはまだ200万ドル(約3億円)以上が残っている」と彼は述べた。 アタラクシスは、Ataraxis Breastを検証する上で、モデルトレーニングの対象でない約3500人の患者の初期段階の画像を解析してリスクを評価し、実際の病歴と比較した。この研究結果はまだ査読を受けていないが、先日プレプリントサーバー(査読前の論文を一般公開するプラットフォーム)のarXivで発表された。それによると、最先端のラボテストよりも最大30%正確であるという。 アタラクシスはモデルを検証するための研究を重ね、医師による乳がん患者の治療を支援するために、AIを活用した新たな診断方法を開発する計画だ。同社はまた、他のがんを対象とした新たなモデルのトレーニングを行い、製品ラインを拡大する予定だ。ウィトウスキーは、2025年初めには同社のソフトウェアが医師に使用され始めることを期待している。 「我々の使命は、これまで代替手段がなかったものに情報と答えを提供することだ。それこそが、我々にとって最も重要なことだ」と彼は語った。
Alex Knapp