打席での『脱力』の意味「左の前鋸筋にだけ力を入れほかは脱力。あとは連動運動で打つのが僕の脱力打法です」【近本光司の認知を超える】
8月の流行「脱力打法」
前鋸筋だけに力をいれる「脱力打法」をすることで鋭いバットスイングを生み出していく。それによりスイングにブレがなくなっていくが、近本の場合には「脱力打法」が自分の打撃の究極ではないという
8月中旬に新型コロナウイルス陽性反応で一時期離脱したものの、同月後半に復帰後は、何もなかったように安打を積み重ねている。その中で第3回は、離脱直前に取り入れ出した「脱力打法」について。全身の力を抜けばヒットは打てるのか!?近本流「脱力打法」の意味を解説する。 今回は余談なしでテーマへいきましょう。僕の中での打撃の流行について話をします。1カ月前の話になるのですが、8月5日の広島戦(マツダ広島)からある打ち方を取り入れていました。それが「脱力」です。 僕自身、シーズン中にいくつか「意識の流行」ができるんです。最近、そういう流行がないなあ、と思っていた中、だったら「脱力」がテーマかな、と。打撃の状態は悪くない中で、打撃を極めるためにも、その脱力を自分の中でトレンドにしようと考えました。 「脱力」=「すべての力を抜く、リラックスをする」と思う方も多いとは思います。しかしそこはあえて「違う」と言わせてもらいます。ある部分を「脱力」し、ある部分にどう「力」を入れるか、ということが僕の中での「脱力」の定義です。 以前はすべての部位を脱力にしていましたが、それだとタイミングを取るときから全身脱力になってトップも力が抜けていました。でも、打つ瞬間、本当に脱力が必要な部位は脱力をして、それ以外の部分は通常どおりの力の入れ方をする。これが今回の「脱力」の真意です。 実際には力を入れないとバットは強く振れないですよね。でも力が入り過ぎると鋭いスイングはできない。では力はどこで緩めるのか? 強くバットを握らずに、インパクトのときにだけ力を入れることは難しい。強いインパクトにするには・・・
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週刊ベースボール