2か月ぶりの復帰登板も返り討ちに…中日・大野雄大は再び輝きを取り戻せるのか
中日は阪神とのビジター3連戦を1勝1敗1分で凌ぎ、週末は本拠地・バンテリンドームナゴヤでDeNAとの3連戦に臨んでいる。初戦を髙橋宏斗で落とすと、2戦目は大野雄大が先発するも試合を作れず。残念ながら連敗を喫した。 【動画】初回に痛恨の2ラン…大野雄大が牧秀悟に本塁打を打たれたシーン ■牧秀悟に2本塁打を被弾 大野はこの日の登板が約2か月ぶりの1軍マウンド。今季は左肘の手術明けシーズンにあたり、4月3日の巨人戦(バンテリンD)で556日ぶりの復活星をマーク。同20日の阪神戦(甲子園)では2回6失点KO。以降はファームでの再調整を経て、今回のマウンドに臨んだ。 結果は5回5失点と返り討ちに遭うのだが、点の取られ方もよろしくなかった。 初回いきなり牧秀悟に2ランを浴びると、4回にも2打席連続アーチを被弾。5回には桑原将志に2ランを叩き込まれ、3本の本塁打を喰らったのだ。 ■自慢の直球は140キロ前後しか出ず 牧に打たれたのはともに低めのボール。1本目はやや真ん中に入った直球、2本目は内を狙ったカットボールを掬い上げられた。そして2打席とも初球を打たれているのは、因果があるとしか思えない。かつて一緒に最優秀バッテリー賞を獲った木下拓哉ともども、冴えが見られなかったように感じられる。 桑原にトドメを刺された2ランは、内角高め直球をうまく打たれたもの。これは相手が上回ったと見る向きもあるが、一方で球威不足を心配したくなるボールでもあった。事実、この日は直球のスピードが140キロ前後しか計測されておらず、以前のような直球で「刺す」ボールがほとんどなかった。 ファームでは空振りを取れていたボールでも、1軍の打者相手には通用しなかったということか。このあたりに難しさを感じる。 ■キャリアはまだまだ終わらないはず 今年は3度目の年男、36歳のシーズンを過ごす大野。左の本格派としてキャリアを積んできたが、少しずつモデルチェンジを図る最中なのかもしれない。 もちろん、このまま終わるなんて思ってはいない。沢村賞まで獲った投手なら技術だって相応のものがあるし、チームのことを第一義に考える人柄なのはファンならよく知っていることだ。 次回の登板はいつになるか分からないが、背番号22がチームの危機を鮮やかに救うことをまだまだ期待したい。 [文:尾張はじめ]