相手の立場に立つのは当然⁉...現代人が必ず実践すべき「本当に」相手を考えた振る舞いとは
“本当に”相手のことを考えるということ
数ヵ月後、同じような状況に遭遇しました。自販機を置いてくれている喫茶店の女性オーナーが突然入院したのです。詳しい病名はわかりませんが、彼女と仲が良い近所の商店の店主から入院先を伺い、お見舞いに行くことにしました。 以前に甘いものが好きだという話を伺っていたので、菓子折りを持って病室に伺います。ドアが開いており、少し大きな部屋にカーテンで仕切られた幾つかのベッドが見えます。 そのとき、廊下を歩いてきた女性から「あれっ、どうしたの」と声を掛けられます。声の先を見るとオーナーです。坊主頭で髪の色も以前とは打って変わって灰色になっています。驚いた表情でこちらを見ています。 直感的に来るべきではなかったと思いました。彼女はこういう状態で知人には会いたくないだろうというのが容易に推察できます。どういう状況かをきちんと確認もせずにお見舞いに伺うというのは自己満足であることが鈍感な自分にもわかりました。なんとも言えない目でこちらを見るオーナーに頭を下げたまま、菓子折りを渡してその場を立ち去りました。 「どのように人を大切にして、関わっていくのか」ということ。自分の行動はまさしくそれを基にしている。それまではそう思っていましたが、実際には自分が本当に理解していないことを思い知ることになりました。 「『相手の立場に立って考える』のは当然だ。そこからもう一歩進んで本当に相手のことを考えてものごとをやるということだ。お前たちの仕事も同じだぞ」 山田社長の言っている意味が少しわかったような気がしました。 『身近にある「可能性」を抑え込まない…ものごとが「劇的に」上手くいく「たった1つの」行動とは』へ続く
山岡 彰彦(株式会社アクセルレイト21 代表取締役社長)