相手の立場に立つのは当然⁉...現代人が必ず実践すべき「本当に」相手を考えた振る舞いとは
地方のFラン大学卒で0から営業を始めた著者は、いかにして「日本一の営業」へと大変貌を遂げたのか? 「毎日が凄く辛い」「外回りをしている自分が情けない」...消極的に取り組み始めた営業の仕事が天職になるまでには、どんな心境の変化があったのか? 人と人との関わり合いである営業で得た「学び」には、どんなビジネスにも活かせるヒントが満載。仕事への向き合い方や他者の心の動かし方に迷うビジネスマン必読の話題作『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』(山岡彰彦著)から、内容を抜粋して紹介する。 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』連載第8回 『相手と共に押し黙る…「典型的な営業」とはかけ離れた「不器用営業マン」が次々と契約を勝ち取った秘訣』より続く
相手のことを考えるということ
営業に限らず、ビジネスは何らかのかたちで人に関わりながら進めていかざるを得ません。B2Bの組織同士のやり取りであっても同じです。そこで仕事をする一人ひとりの人間が相手です。どれだけ技術が進歩しても、仕事の環境が変わっても、これだけは変わりません。 そこに求められることは「どのように人を大切にして、関わっていくのか」ということだと思います。 ホワイトホテルは電車通りと繁華街に挟まれた一角にあるビジネスホテルで、駐車場脇にウチの自販機を設置してくれています。その横にプレハブの倉庫があり、そこが商品のストック場所でした。
ランニング姿の取引先の社長
ある日、営業所に外から連絡すると、ホワイトホテルから急な電話注文があり、他のルート担当の伊与木さんが商品を届けに行っているとのこと。少しまとまった数なので申し訳なく思い、取り急ぎ現地に急行しました。 駐車場脇にクルマを停め、自販機横の倉庫に向かいます。ちょうど、商品を降ろして運び入れているところです。ふと見ると伊与木さんと一緒に作業ズボンにランニングシャツを着た小太りのおじさんが商品を抱えています。 「はて、誰だろう」 よく見るとホワイトホテルの山田社長です。結構な数の商品に加え、炎天下での作業で汗びっしょりです。大急ぎで駆け寄り、「ありがとうございます、社長。申し訳ありません、ここからは私たちでやります」と選手交代です。 「え、社長⁉」 伊与木さんは目をまんまるにしています。シャツ姿のサンダル履きで駐車場の事務所で駐車券を整理していれば、普通は誰も社長とは思いません。「いやぁ、なかなかの数なのでちょっと手伝っていた」と笑って応えてくれます。 後で伊与木さんにいきさつを聞くと、倉庫脇の事務所にいた管理人のおじさんがちょっと手伝おうかと言ってくれたのでお願いしたそうです。