もしもの時のために、忘れることも前提に準備する/塩沼亮潤大阿闍梨「くらしの塩かげん」
⼤峯千⽇回峰⾏(おおみねせんにちかいほうぎょう)とは
奈良県吉野山にある金峯山寺(きんぷせんじ)蔵王堂から、24km先の山上ヶ岳頂上にある大峯山寺(おおみねさんじ)本堂までの往復48km、標高差1355mの山道を毎日16時間かけて1000日間歩き続ける修行。毎年5月3日から9月3日までの4ヵ月間が行の期間と定められているため、満行には9年の歳月がかかる。毎日おにぎり2個と500mlの水、約4時間半の睡眠で臨む、 肉体的にも精神的にも極限まで追い込まれた状況下での命がけの荒行。塩沼さんは、1991年5月3日から4万8000kmを歩き、1999年9月3日に成満している。
撮影/善家宏明 上牧佑