M440i以上・M4以下 メルセデスAMG CLE 53 カブリオレへ試乗 ルックスとパフォーマンスの好バランス
直6ツインターボにISGと電動コンプレッサー
メルセデスAMGのモデル名に付く数字は、だいぶ前にエンジンの排気量と関係なくなった。だが6.3Lエンジンでなくても、63が最強というポジショニングは守られている。 【写真】ルックスとパフォーマンスの好バランス メルセデスAMG CLE 53 BMW M440iとM4も (120枚) 今回試乗したメルセデスAMG CLE 53は、その1つ下。3.0L直列6気筒ターボの最高出力は449psあり、後輪駆動状態になるドリフト・モードが備わる。BMW M4には届かないとしても、公道では引き出しきれない動力性能だといえる。 CLEには63も登場予定で、V8エンジンを搭載する見込み。プラグイン・ハイブリッドになるかは不明だ。 新しいCLEクラスは、CクラスのクーペとEクラスのクーペを統合したモデル。今回のように、ソフトトップのカブリオレも選べる。AMG 53では、専用バンパーとパナメリカーナ・グリル、ドアミラー、リアスポイラー、ディフューザーなどで差別化される。 前後のフェンダーもワイドになり、左右のタイヤの間隔、トレッドも広い。前で58mm、後ろは75mm拡幅され、やる気に満ちた雰囲気を放つ。 直6エンジンは、ドイツ・アファルターバッハの職人によるハンドビルドではない。電圧48Vのマイルド・ハイブリッドで、M256Mのチューニング版。ツインターボのブースト圧は0.4barから1.5barへ上昇し、電動コンプレッサーも組まれる。 トランスミッションは9速オートマティックで、四輪駆動。最大2.5度までリアタイヤが向きを変える、後輪操舵も装備する。AMGライドコントロールと呼ばれる、コイルスプリングとアダプティブダンパーでサスペンションは構成される。
座面を落とせるAMGパフォーマンス・シート
インテリアは、試乗車だったナイトエディションの場合、カーボンファイバーとアルカンターラでステアリングホイールが仕立てられる。スポーツシートは標準で、サポート性に優れるものの、着座位置は想像より高めだ。 それ以外の内装は、最近のメルセデス・ベンツ流。全体的な雰囲気は良いものの、僅かに質感が足りない部分も混在する。タッチモニターへ多くの車載機能が集約されているが、インターフェースのデザインに優れ操作性は良い。 ステアリングホイール上には、コントローラーが用意される。ドライブモードの変更を、手元でできる。 英国では7500ポンド(約146万円)のプロパフォーマンス・パッケージを組むと、カーボン製トリムの他、座面を落とせるAMGパフォーマンス・シートやダイナミック・エンジンマウントなどを獲得。ドリフト・モードとレース・モードも追加される。 カブリオレの場合、多層構造の電動ファブリックルーフは20秒で開閉可能。59km/hまでなら、走行中でも動作する。荷室容量は375Lと小さく、ルーフを開くと285Lへ減る。リアシートの背もたれは、60:40に分割して倒せる。